関係を断ち切るには「疲れる」

女子会などで「セフレ以下の関係性」をカミングアウトしつつ、同時進行でやるべきことがあります。 一回セックスすると、当分会えなくなる男性に対してです。「せめてセフレにしてください」と、土下座しましょう……ではなく! ベストを尽くしましょう。

先方から、「今週末あたり会おうぜ」とアポイントが入ったら、ソッコーで美容院・ネイルサロン・エステティックサロンに予約を入れるのです。
指定日が「翌日」など急な場合は、有給休暇をとってでも、美容院・ネイルサロン・エステティックサロンを優先させましょう。それから、ブティックとランジェリーショップにも駆け込みましょう。洋服と下着を新調するのです。

はい、言うまでもなくウン万円単位の出費になります。
「たかだか一回のセックスに、ウン万円かけるだなんて……!」と思うかもしれませんが、視線を変えましょう。
一回セックスすると、当分会えなくなる男性に、やっとこさ会えるのですよ。「滅多にない機会なのだから、お金をかけたってええじゃないか」ってことにしておきましょう。どうせ、次に会うのは一ヶ月以上先……人によっては季節が変わるほど間隔が開くこともあるでしょうから、ウン万円の出費を惜しむなんてナンセンス!

最初のうちは、「一回セックスすると、当分会えなくなる男性に、やっとこさ会える滅多にない機会」という大義名分の下、美容院やらネイルサロンでパーッとお金を遣うことが、楽しく感じるでしょう。お金を遣うって、なんだかんだ楽しい行為ですからね。

毎回繰り返していくうちに、気持ちに変化が生じます。「お金がもったいない」というよりは、「疲れる」のです。
たった数日間で、美容院とネイルサロンとエステティックサロンとブティックとランジェリーショップをハシゴって、相当な体力を消耗しますからね。ヒマ人ならいざ知らず、我々は仕事もしているわけですし。

そして、毎回のセックスに対しても、気持ちに変化が生じます。「なんか面倒くさくなってきた」と。そして、美容院とネイルサロンとエステティックサロンとブティックとランジェリーショップのハシゴを断念します。
要するに、「ま、いいや」という状態で会うということ。「ま、いいや」という状態で会うようになると、「本命昇格したい」という初心も、「ま、いいや」と思うようになるのです。

ひと言でまとめるなら、集中的にベストを尽くすことで、不毛な関係を自ら断つことができるということ。ウン万円×数回分の出費は、必要経費と割り切りましょう。

Text/菊池美佳子
記事初出:2016.03.28