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恋人と別れるベストなタイミング

「そんな話題はやめようよ」

 恋人と別れる未来の話を持ち出すと嫌な顔をされることが多い。
破局という言葉を口にするだけでその場の空気が変わってしまうこともある。
物事に始まりと終わりがあるという事実は、思春期に浜崎あゆみの歌詞で育った影響で骨の髄まで叩き込まれている。
悲しいというよりは、それが当たり前であるという考え方を持つようになった。
だから、恋愛がいつか終わりを迎えるという前提でいつも恋をしている。
うちにある家具は別れた時にどっちの所有物になるか既に決まっている。

 どうやって目の前の恋が終わりを迎えるのかを考えることもよくある。
愛が無くなれば恋も自然に消滅する。
そんなありきたりな回答じゃ満足できない。
愛なんて人によって色も形も違うのに、それが無くなったかどうかなんてそう簡単には判断できない。
今までにフラれたことなら山ほどあるが、誰かと一緒に築いてきた恋愛を失った経験はない。
今の彼氏と別れないというわけではないが、どうやって人が恋に区切りをつけるのか気になって仕方がないのだ。
そんなわけで、いつものように周りの人たちに聞いてみた。

「彼がもう触ってもくれないから……」

 肉体的なコンタクトが無くなったことで、友達は15年付き合ったパートナーと別れた。
単純にセックスレスというだけではなく、お互いの肉体に魅力を感じなくなったと彼は語った。
そんな恋愛を続けていては、どんどん自分自身が醜いと感じるようになる。
だから、フレッシュなスタートを切ることを決めたそうだ。

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