最悪なデートを自分のせいにしない

LGBTのためのコミュニティサイト「2CHOPO」の記事をAMでご紹介させて頂けることになりました!
今回は、キャシーさんの「セックス・アンド・ザ・キャシー」の記事です。

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キャシー

 雪がとけて、日差しも暖かくなって、ついに春がやってきた。
こんなに天気がいいとデートに出かけたくなる。
早足に待ち合わせのカフェへ向かいながら、胸元のボタンをひとつ外した。
涼しい春の風が気持ちいい。
手に握った携帯を確認すると、相手はもう到着したようだ。
携帯のセルフィーカメラを鏡代わりにして髪の毛を直しながら、歯に何も挟まってないか確認した。
香ばしいコーヒー豆の匂いがするカフェに入ると、デート相手が目の前に立っていた。

「初めまして!」

 15分後、手元のコーヒーを飲もうとして何も残ってないことに気付いた。
いつもなら楽しい会話に夢中でコーヒーが冷めるまで飲むのを忘れているのに、今日はどうしたのだろう。
さっきから一生懸命に話を盛り上げようと頑張っているのに、ふたりの間にある壁が崩れない。
デート相手はさっきからあくびしてばかりだ。
それを見る度に焦って、間を持たせようと手元のコーヒーを飲む。
そして、何も入ってないことに気付いてさらに焦って、その繰り返しだ。

 こんな経験は実は初めてではない。
遠い遠い昔、同い年の男の子とデートに出かけた。
駅前のカフェで一緒にコーヒーを飲んでいると、相手が自分に興味がないとすぐにわかった。
質問をするのは自分ばかりで、向こうは素っ気ない態度でずっと携帯をいじっていた。
アイコンタクトさえないデートは辛い。
なんとか共通の話題を見つけようと必死になっているこっちがアホのようだ。
終いには彼の次のデート相手の写真を見せられて、意見まで聞かれた。

 こんな最悪なデートの後は落ち込んでしまう。
目の前の相手にここまで拒絶されるだけでも悲しいのに、全く相手の思いやりを感じられなかったことでさらにどん底に突き落とされる。
ステキな時間を楽しみにしていたのに、お互いの時間が無駄になってしまって残念だ。
自分の見た目がいけなかったのだろうか。
デートの最中に変なことでも言ったのか。
相手にここまで嫌がられるほど自分はダメな人間なのだろうか。
不思議なことに、無意識のうちに自分を責め始めていた。