セフレがビーガンであることと、セックスに何の関係があるかなんて思う人もいるかもしれないが、これがなかなか厄介だ。
相手の価値観を尊敬して、彼と会う時はできるだけ動物製品を身に付けないように気をつけるし、どこかに遊びに行くとなれば事前にビーガン食品を提供しているレストランも調べておくようになった。
革製のムチはゴムのムチになって、コンドームもローションもビーガンになった。
セックスの最中に万が一ゲップした時のために、彼と会う前は肉食を控えた。
ビーガンの彼女と婚約した友達がいるが、その彼女と過ごす間は自分もできるだけビーガンに徹しているという。
決して簡単なことではないが、愛する人のためならそれでも構わないらしい。
「なんでビーガンなのか理解できない!」
そうやって切り捨てるのも個人の自由かもしれない。
ただ、人間と人間の考え方や表現の仕方の違いに気付いて、歩み寄る努力をするのはステキなことだ。
少し面倒臭くても、思いやりは大事な姿勢である。
自分自身を曲げてまで相手に合わせる必要はないが、相手が信じることに賛同するくらいのことなら悪いことではない。
「お肉とチーズのピザとビーガンのピザを半々でオーダーしても大丈夫だよ?」
そんなセフレくんのオファーを有り難く断って、その夜は野菜とビーガンチーズたっぷりなピザを楽しんだ。
Text/キャシー
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