「恋愛も、セックスも、日常生活も、それ以外も全部相性ピッタリな人を探すくらいなら、一生独身で暮らしたほうがずっと楽」
これはある友達の口癖で、今ではすっかり自分の口癖になった。
世界のどこかにいるピッタリはまるパズルのピースを探している人を止めるつもりはないが、自分はもうとっくにあきらめている。
たとえそんな人が存在したとして、もう探す気力も体力もあたしには残っていない。
うちの玄関まで来てくれるなら別だが、今のままならもうそんな人はいないと考えた方が潔い。
ピッタリはまらなくてギャップだらけでも、今目の前にいる人とお互いに歩み寄る努力をすればいい。
二人だけのバランスを見つけることに真剣になってくれる人なら、チームワークでなんとかなるはず。
そう考えるのは楽観的だろうか。
日曜日の午後、まだ掃除も終わってないのに、彼氏がソファーでいびきをかきながら昼寝していた。
頭に来たので叩き起こそうかと思ったが、せっかくの休みだしと一緒になって昼寝することにした。
手を握って、肩に寄りかかって、彼の温もりを感じながらすぐに眠りに落ちた。
こんなシンプルな瞬間こそが今の自分にとっては大切で、表面的な相性なんてすっかり忘れていた。
Text/キャシー
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