――でも女優時代は彼氏がいるのに仕事とはいえ男優とセックスすることに抵抗感はなかったのですか。

仕事とはいえ他の男性に抱かれるということに悩んだ時期だって、当然ありましたよ。でもAVはファンのためのものだから自分が悩んでいる表情なんて見せちゃいけないと思うんです。それで結局、仕事に全力を注げないのが辛くて仕事の方を選んで別れたこともありました。

――AV女優の恋愛っていうのは、なかなか難しい課題ですよね。

はい。恋愛はもちろん、結婚もです。結婚って、やはり二人だけの問題ではなく、二人の家族や親戚も関わってくると思うんです。これだけインターネットに画像や動画が溢れている世の中で……私が結婚できることなんてあるのだろうかって悩んだことはありましたし、今でも悩むことはあります。

――AV女優になったことで、得たものと失ったものは何でしょうか。

私のような本当に取り柄がなかった女の子がたくさんの人の前に立って表彰されたり、テレビやピンク映画に出させてもらったり、アジアの映画やCM出演などにも出させていただけたことは、本当にAV女優になったからこそ、得られたものだと思います。ものすごくやり甲斐がありました。失ったもの…私自身は失ったとは思わないですね。私の裸の動画や写真はネットには半永久的に残るかもしれないけど、そこには何の後ろめたさも後悔もありません。

――これからAV女優になりたいって思う女の子に、何かお言葉をいただければと。

どんな仕事かということをしっかりと自分で理解することが大切ですし、今の自分だけでなく周囲にどれだけの影響を与えることか、そしてそれでもなおやりたいと思う仕事か全て自分で理解して判断することが大切だと思います。それに、絶対に譲れないものを持って、それは決めた以上は曲げない。どんな仕事でも同じことですよね。“私は本当はやりたくなかった”ということがないようにしてほしいと思っています。