本日11月26日公開『ジムノペティに乱れる』の行定勲監督と、漫画家・峰なゆかさんの対談、後編。
前回の記事もあわせてどうぞ!
射精しない苦悩
―峰さんは、日活ロマンポルノをご覧になったことはありますか?
峰さん(以下M):初めて観ました。
私、日活ロマンポルノって「結合部を一輪のバラで隠す」みたいなのがお約束と思ってましたが、そんなことないんですね。
行定監督(以下Y):昔はそうでしたね。基本的には「前貼り」がルール。本当には挿入してないんですが、「前貼り」が見えてしまうとそのシーンは使えないので、花瓶を置いたりしていました。だから、アングルもしっかり決めてたし、演者たちもものすごく気をつかって演じてましたね。
M:前貼りを見せないようにするって、大変ですね。
私、以前にR18+映画に出演したことがあって。やってる最中に俳優さんが勃起して、前貼りがベリベリ剥がれてしまうアクシデントがありました。
Y:俳優さんは我慢してるだろうから、前貼りが剥がれるほど勃起させるなんてすごいですよ。
―濡れ場の演技って難しいんでしょうか。
Y:古谷は「イかない」って設定だから、難しかったと思います。射精できるのなら、ただぶつければいいけど、「イかない」って自分にブレーキをかけてる状態でしょう。
板尾さんとも、若い頃は、「射精=気持ちいい」だったけど、年齢を重ねるとそうじゃなくなるから難しいよねって話をしました。射精しない苦悩ってあるんですよ。
M:先ほど「悩めるオッサン」の話をしましたが、なぜ男性が「悩めるオッサン」になるかというと、勃起力が落ちるからだと思うんです。「俺、人生後半戦かな?」とか「これからどうやって生きていけばいいんだろう」とか。「人生変わっちゃうかも」って思いから、悩めるオッサンになる。
でも、それって女子はアラサーの時期に悩むことなんですよね。だから、悩めるオッサンと、アラサー女性って肉体関係を結びやすいんだろうなって思います。
Y:なるほど。でも、僕は熟女の「だらしない肉体」の方が好きなんですよね。
M:え、そうなんですか!?
Y:古谷の元妻もそういう肉体を求めてオーディションしたんですが、本番までに身体を絞ってきちゃったんですよ(笑)。
M:たしかに、身体すごくキレイでした。
Y:「もうちょっと太っていいよ」と言えばよかったかなと。でも、それが女心なんでしょうね。