美魔女批判と“良き母”賛美
アル:芸人の小藪が美魔女批判をしてるのよ。『いい年こいた美魔女をチヤホヤする国に未来はない』って。それって「女は年とったらババアになれ、そしてババアは着飾るな」って押しつけだよね。男が体型を維持するためにジムに通ったりオシャレに励んでも、批判されないわけで。
J:むしろ「オジサンになっても見た目に気づかってステキ」って言われるよね。
アル:私は<美魔女=ニンニク卵黄のおじいさん説>を唱えてるの。
美魔女が若さを維持したいのは、モテじゃなく自己満足のため。私だって、腹が出たりシワやシミができると悲しいもん。他人じゃなく自分のために努力しようと思う…けど、思うだけで努力しないのがダメなんだが(笑)。
J:(笑)僕はジム通いが日課だけど、それも鏡を見た時に自分がガッカリするのがイヤだから。べつに人に見せるためじゃなく、自己満足だよね。
アル:それを小籔はわかってない。あと『白髪染めも我慢して自分磨きのお金を置いて、子どもの塾代にしてるおばはんもおるわけです。そのおばはんも賛美する意見もないと』『孫の孫の世代が全員”美”と”恋”ばかりで、金持ちのおっさんばっかり探すと…』と発言してたらしいけど、なに言ってんだって話だよ。
もともと日本は「母親は子どものために自分を犠牲にすべき、そんな母親こそ素晴らしい」と賛美する国なんだから。
大女優でも「毎朝5時に起きて子どものお弁当を作ってます」と良き母アピールしなきゃいけない国。シングルマザーが恋愛すると「子どもより自分優先なんて母親失格だ」とバッシングされて、シングルファーザーには「早く嫁さんをもらえ」とアドバイスする国。
そういう男女の非対称性をわかってから言え、笑止!と憤るわけです。
J:また笑止が出た(笑)。たしかに日本は「家事育児は女の責任」って考え方が強いよね。
日本で「BBQしよう」と誘うと、女性は「面倒くさいからイヤ」ってよく言う。料理や後片付けは女がやらなきゃいけないと思ってるみたい。でも、カナダだと男女全員でやるから…というか、むしろ男の方がよく働く。
アル:釣ったサーモンをガーッとさばいて。
J:サーモンもさばくけど(笑)。カナダ人がサーモンばっか食べてるわけじゃないから!