症状がひどいと警察沙汰に!?
こうしたPMSの症状は個人差があるため、月経前でもケロッとしている人もいれば、日常生活に支障が出るほど悪化する人もいます。
またその時の体調にも左右されるため、先月は大丈夫だったけど今月は症状が重い、ということもあります。ただ毎月PMSの症状が重く、精神的なダメージが大き過ぎると、日常生活にも支障が……。
◆関口先生の解説
「症状が重い人の中にはイライラや憂鬱がひどくなり、身体が重くなるばかりか、精神的なコントロールがうまくいかず、周囲をトラブルに巻き込んでしまうケースもあります。例えば、月経が近づくと鬱がひどくなって会社に行けない、イライラして暴力的になってしまいパートナーに暴力を働くなど。中には万引きなどの衝動にかられる人もいると聞きます。
ここまで症状が悪化してしまうと、社会生活のQOLが下がってしまいますよね。もし、日常生活に支障が出るほど辛い場合は、病院で診察してもらったほうがよいでしょう。
PMSの治療は、症状に合わせて薬やサプリメントや漢方薬を服用する対処療法が一般的ですが、毎月の症状が重く、抑えたい場合は、低用量ピルで排卵自体を止める方法も有効です」
PMSがツライ人は、妊娠に向いている頑張り屋さん?
PMSが重い人は、おしなべて頑張り屋が多いと、関口先生は話します。
◆関口先生の解説
「女性の身体には月経周期に伴い、活動的に動けるONの時期と、ゆったり過ごしたいOFFの時期があります。ONの時期は、主に月経後~排卵までの『卵胞期』。この時期は心身共に活動的で、パワーもみなぎっています。
一方OFFの時期は、PMSの症状が強く出る月経前の『黄体期』、そして『月経期』のこと。この時期は、身体に様々な負担がかかるため、ゆったり休息を取りたいものです。しかし、PMSの症状が重い女性の多くは、こうした身体のシグナルを無視しがち。月経後の卵胞期の好調なペースを落とすことなく、黄体期に入っても夜遅くまでパワフルに動いたり、身体を酷使したりして、負担をかけてしまう。
こうした頑張り過ぎる行動が、症状を悪化させてしまう原因にもなっているのです。
PMSは、身体から発せられる“そろそろ月経が近いので、お休みください”のシグナル。
排卵が終わった頃から、むくみやすさや疲れやすさを感じたら、残業しないで早く帰って寝る、お風呂にゆっくり入って休む、アルコールを飲みすぎないなど、身体の声に耳を傾けて、労わってほしいですね」