膣クライシスに注意!女性ホルモンの減少をゆるやかにする方法

腟クライシス回避!女性ホルモンの減少をゆるやかにする方法

最近、若い女性の間で女性ホルモンの減少が話題になっているけど、女性ホルモンの減少は腟にどんな変化をもたらすのでしょうか?
医学博士で女性泌尿器科専門医の関口由紀先生に伺ってみました。
(前回の「『太った人は名器』はウソ!太りすぎは女性性機能障害につながる可能性あり」も合わせてどうぞ)

女性ホルモンが減少することで起きる様々な症状

<関口先生の解説>
女性ホルモンが減少すると、性的意欲が落ちたり、オーガズム障害や性交痛があったりなど、様々な理由からセックスを楽しめなくなってきます。
詳しく話すと、女性ホルモンが減少することにより、腟の粘膜が薄くなり、弾力も弱くなってしまうため、性交痛が増えてきます。

そして腟の萎縮により腟が狭くなります。しかし、腟が狭い=締まりがよくなる=気持ちよくなるのではなく、愛液の分泌の減少による濡れにくさから性交痛を伴うため、セックスが苦痛になることが多いようです。

また、腟が狭くなるとは反対に、骨盤底筋が衰えて腟の締まりが緩くなる人もいます。
出産経験があったり、運動不足で、もともと尿漏れなどのトラブルがあったりした人は、さらに緩んでしまう可能性があります。

しかし、女性ホルモンの分泌量がガクッと減るのは、一般的に閉経の兆しが見える45歳ごろから。
女性は月経周期でホルモン量が変化し、心身が不安定になることはありますが、20~30代なら閉経後と比べものにならないほど女性ホルモンは分泌されています。
ですから仮にセックスがうまくいかないなら、ホルモンの低下ではなく、心因性の要因が大きいと考えられるでしょう。また薬剤の可能性もあります。低用量ピルや抗うつ剤は、女性性機能障害を発症させることが知られています。

ちなみに最近、話題になっている30~40代の『プチ更年期』は、女性ホルモン値は正常であるにかかわらず、更年期のようなホットフラッシュ、不眠、うつ、疲労感などが出現する病態です。
過度なストレスや不規則な生活、バランスの悪い食生活が引き金になり、女性ホルモンの作用を受ける臓器側の受容体の機能がおかしくなり、自律神経失調症状が出現するのです。

閉経に伴う女性ホルモンの減少は、脳がいくら命令を出しても、卵巣から女性ホルモンが分泌されない状態です。
一方『プチ更年期』は、同じ『更年期』の名がついていても、女性ホルモンの低下はなく、いわば若年性の自律神経失調症といえるような病態です。