セックスのとき痛みがある!?20~30代女性は子宮内膜症に要注意!

第20回 ジワジワ増加中!? 激痛を伴う子宮内膜症

松村圭子先生 子宮内膜症 Imani Clovis

近ごろ結婚した女性タレントがカミングアウトしたことで、注目されている「子宮内膜症」。この子宮内膜症とは、子宮内膜が何らかの原因で、子宮以外の場所で増殖・剥離(はくり)を繰り返す病気です。

子宮の内側にある子宮内膜は、月経時にはがれ落ち、経血として膣から外へ排出されます。 しかし、子宮以外の場所で増殖した子宮内膜は、はがれ落ちても外に排出できないので、その場に溜まり、それが周囲の組織と癒着を起こし、激痛を引き起こします。

子宮内膜症が発生しやすいのは、主に「卵巣」、「腹膜」、子宮と直腸の間にある「ダグラス窩(か)」と呼ばれるくぼみ。 それ以外に「膀胱」、「直腸」、「肺」などにできることもあります。
しかも月経後、徐々に子宮内膜が厚くなっていき、次の月経とともに剥離するように、子宮内膜症の場合も月経の度ごとに増殖・剥離を繰り返すので、月経を繰り返すうちに進行し、症状がますます重くなってしまう場合があります(個人差はあります)。

また、子宮内膜症は、不妊の原因 にもなります。卵管の周りに子宮内膜症ができると、癒着により卵管の動きが悪くなったり、狭くなったり、閉塞したりします。すると、卵巣から排卵された卵子をうまくキャッチできなかったり、受精卵が卵管を通過できなくなって不妊につながるのです。

また、卵巣の中に子宮内膜症ができてしまうと、月経の度に卵巣の中に血液が溜まり、やがてそれはチョコレートのようなドロドロの状態になります。これを「チョコレート嚢腫(のうしゅ)」といいます。チョコレート嚢腫があると、卵巣の機能が低下して不妊の原因になるばかりか、嚢腫が大きくなると、まれに破裂したり、ねじれたりして吐き気や激痛を引き起こしてしまうことがあります。