悪いところは得意なところ

「肩こりも腰痛もいつも右ばっかりで、右が悪いみたいなんです」
「左の足首が悪いみたいで、こっちばっかり捻挫するんです」

故障の多いところって悪いところだと思っちゃうよね。
でも体を観てみてわかったのは、故障の多いところが悪いというよりは、むしろ使うのが得意なところだったりするの。
例えば、右ばかりトラブルが起きる理由はたいてい右側が自分の重心側だから。
つまり、体を支えることが「得意な側」がついつい使いすぎちゃってトラブルになるのね。
だから、捻挫や膝のトラブル、卵巣のトラブルなど、左右にあるものは重心側が不調になることが多いんだ。

左右の問題だけじゃなくて、内臓もそう。
例えば過食。
過食って、誰でもできるわけじゃないの。
消化器が元気な人だけができる特技で、消化器が弱い人はどう頑張ってもできない。

緊張なんかもそうだよ。
緊張するっていうのは、体にきゅって力を入れることだから、実はとてもパワーが必要。
だから、きゅっと力を入れたまま緊張状態を維持することは、誰にでもできるわけじゃないの。
そんな状態を維持できる緊張体質の人は、潜在的な体力がハンパないんだけど、それに気がついてない人が多くて、逆に「自分は精神や体が弱い」って思っちゃっているんだ。

きらくかんで実際にエクササイズをしてもらっても、なかなか疲れないのは緊張タイプの人。階段を何往復もしても涼しい顔していたりする(笑)。
そういう人たちは、「自分の中にこんな元気があったんだ!」って気づくだけで、自分を信じられるようになって、緊張がなくなってくると思うよ。

まだまだたくさんある『こころとからだのウソ・ホント』。
そのうちまたお話するね!

【つづく】

Text/奥谷まゆみ

初出:2014.04.18