「ひとりでかわいそうな私」を肯定したいと思った私がはじめたこと

孤独との正しい向き合い方はわからないけれど

ひとりで立つ女性 NeONBRAND

2/11(火)建国記念の日に、本を出すことが決まっている。タイトルは『孤独も板につきまして』。AMの連載もいくつか収録しているのだが、内容はほとんど書き下ろしで、ひとりでいること、孤独をテーマにしたものだ。

少し前までは、「ひとりだなんてかわいそうだ」「結婚できない女は負け組だ」という空気があった。しかし、時代の流れも少しずつ変化し、ひとりでどこへ行こうが何をしようが口を挟んでくる人は極端に減った。結婚だって、人生の必需品ではなく、あってもなくてもいいというムードが広がってきた。女性の人生は他者に左右されないし、今後の人生の選択肢はますます増え多様になっていくと思う。私の実感としても、昔と比較すると格段に過ごしやすくなった。さまざまな考え方、生き方をしている人が互いに許し、認め合えるのはどう考えたって素晴らしい。

でも、と思う。ふと、ずっと孤独と寄り添っていた私は、本当に今の生き方でいいのだろうか? と。人と時間を共にすることに煩わしさを感じ、気づけばひとりでどこへだって行けるしなんだってできるようになった。これは私の強さでもあり、個性のひとつだ。けれど、本当はひとりでい続けることしか自分を奮い立たせる手段がなかっただけなんじゃないだろうか……立ち止まって冷静に考えると、私の手にした孤独がひどくみっともないものに見えてくることがある。人と深くかかわることが苦手で、本当は寂しさを抱えているのに虚勢を張って、見たくないものに蓋をして、気づかないふりをしているんじゃないか、と。

この本を書くことで、その答えがはっきりと出たわけではない。孤独との付き合い方や人との関わり方にはいまだに迷いはあるし、明確な正しさもわかってない。でも、ずっと「ひとりでかわいそうだった私」を少しでも救って、肯定してあげられたらいいなと思って書きました。そういう文章が並んでいます。