第18回 子宮がんのこと、どれだけ知っている?
前回の「原因不明の腹痛を放置…もしかして卵巣出血かも!」も合わせてどうぞ。
日本では、「子宮頸がん」と「子宮体がん」は「子宮がん」とひとくくりにされがちですが、それぞれ原因も違い、発症しやすい年齢も違います。
子宮頸がんとは?
Julia Caesar
まず「子宮頸がん」。これは20~30代の若年層に多いのが特徴。たいていのがんは40~50代で発症しますが、子宮頸がんは若いうちに発症することが多いのです。「まだ若いから」なんてあなどれないのが、「子宮頸がん」なのです。
しかも初期は、自覚症状がほとんどありません。発見が遅れると、妊娠や出産に影響を与えるだけでなく、命にも関わる病気です。だからこそ検診が重要なのです。
子宮頸がんの原因は、ほぼ100%ヒトパピローマウイルス(以下、HPV)。HPVは、ごくありふれたウイルスですが、がんの原因となる悪玉のウイルスがいくつかあります。その中でも16型、18型と呼ばれるものが、子宮頸がんを引き起こしやすいといわれています。子宮頸がんの約7割は、16型、18型のウイルスによるものなのよ。それだけ発症させる可能性が高い型なのです。
このHPV16型、18型による感染を予防するのが現在接種できる子宮頸がん予防ワクチンです。もちろん16型、18型以外のHPVが悪さをしないとは限らないので、ワクチンを受けたあともがん検診をする必要はあります。ただワクチンを接種することで、がんのリスクを大幅に軽減できることは間違いありません。なお、ワクチンはあくまでも感染を予防するもの。すでに感染しているウイルスを排除するものではありません。
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