未来に不安を抱くのは時間の無駄!

 人類の技術進化を見ていくと、印刷や電話、コンピュータなどのターニングポイントとなる発明の間隔は倍速で短くなっていて、進化のスピードはどんどんとが早まっているのだとか。

 老化の原因はすでに解明されているので、あとはそれを駆逐するだけです。私たちは、老いの来ない時代を生きる最初の人類になるかもしれません。

 今の感覚からすると「そんなこと有り得ない」と思うでしょうか。冒頭で少し触れたように、30年前と現代では環境も常識もまったく違います。
30数年前までは「脳は人体最後に残されたブラックボックス」などと言われていましたが、アルツハイマー病をレーザーで治療する時代は目の前です。

 80年代に突如現れたエイズは死の病でしたが、今では発症を抑えることができるようになりました。もはやエイズは死の病ではありません。

 NHK朝ドラ「半分、青い。」は90年代の物語ですが、当時、パソコンは一部の人が使う専門知識が必要なアイテムで、インターネットなど大抵の人は知りませんでした。20年前、30年前まで考えもしなかった技術が、今では常識なのです。

 そしてこの先はAIがあらゆる技術を加速度的に進化させるでしょう。

 寿命が250歳になれば、50歳なんてヒヨッコです。そのうち80歳で出産なども当たり前になるかもしれません。老化が駆逐されればそれも可能です。
そもそも和久井は、人を年齢で差別することはほとんどありませんが、20歳年下の男子と普通に付き合った理由のひとつに、次のような考え方があります。

 自分の年齢を憂いたり、未来に不安を抱くのは時間の無駄です。未来がどんな世界かはわかりませんが、ひとつ言えるのは、絶対に今と同じ社会ではないということです。そして同じ社会ではないなら、今とは別の常識がそこにあるはずです。それは30年前を鑑みてもわかります。

 「将来を心配したって無駄だ」と言うと、よく「そんな刹那的ではいけない」などと言われます。和久井は別に、その日暮らしでいいと言っているわけではありません。

 現在の環境から生まれた常識をそのまま未来に当てはめて、不安になったり喜んだりする必要はないと言っているのです。

 大事なのは、どんな時代になっても対応できる柔軟性と、情報のアップデートです。勉強さえ怠らなければ、老化や加齢を恐れてあくせくするのはバカらしいと思うんです。

 未来には未来の常識と環境がやってくるに違いありません。そうしたらそのときに、それに応じた判断をすればいいだけ。

 もちろん、恋愛や結婚も新しい価値観の中で形が変化していくでしょう。次回はそんなお話を。