女性用といえば
ご存じ「iroha」だ。
説明不要とは思うが、女性用のオナニーグッズである。こちらはTENGAよりさらにアダルトグッズとは思えないデザインであり、部屋に普通に置ける、というか今まさに机の上にある。何故ならUSB充電型だからだ。
だが見つかっても「マッサージ器」で押し通せるだろう。「電マ」だってすっかりエログッズのようだが、本来はマッサージ機なのだ。
このように女のオナニーグッズとマッサージ器の境界は存在しないので「お前はマッサージ器だ」と言い聞かせれば、irohaはマッサージ器にもなれる。
送られてきたオナニーグッズの紹介だけで尺が終わりそうになって、今ハトが豆鉄砲を食らったようなツラをしているが、そのぐらいTENGAさんは山の如く商品を送ってきてくれたのである。
そして結論から言うと、こいつらが、誕生日に夫に見つかった。
それも「なんだこれは」とか「TENGAじゃん」など、何かしら言ってくれれば良かったのだが、夫のリアクションは「無言」である。そして無言のまま、どこかへ行った。
何かわからなかったわけではない。何せ世界一有名なTENGAだ。わかった上で何も言わなかったのだ。
私も、TENGAが入った箱に夫が手をかけた時点で何か言おうとしたが、何も言えなかったし、その日でめでたくアラフォーになったので、止めようにも足が上がらなかった。
私は、シモどころか性の話を一切しない家庭に育ったので、家族とシモの話をするのがとにかく「キツイ」のだ。きっと夫もそうなのだろう。
私と夫は家族になったのだ。そう思った誕生日だった。
PS TENGA様
「ご夫婦でお楽しみください」と丁寧なお手紙いただきましたが、無理です、すみません、私一人で頑張ります。
Text/カレー沢薫
次回は<いくら言われても聞き飽きない「夫に言われてちょっとうれしかったこと」>です。
今回のテーマは「夫に言われてちょっとうれしかったこと」。しかし、カレー沢薫さんいわく、「私には褒めるところがない」。それでも、お礼とあいさつだけはきちんと言い合うようにしているカレー沢さん夫婦ですが……?
カレーなる夫婦生活が書籍化!
夫婦コラムのはずの本連載が、土方歳三への愛を綴った廃人日記として書籍化されました。
愛に生き愛に死ぬカレー沢さんのガチャ爆死録は必見です!
- 1
- 2