アスリートの妻ごっこをやめた話/元鈴木さん

夫婦で料理をしている画像

うちのゴリラはアメフトをやっている。

そのため、ゴリラのチームが優勝した際には、私も祝勝会に参加させて頂くことがある。

そういう場では「内助の功だね」「大変でしょう、スポーツ選手の奥さんって」と、私が労われることが多々あった。
きっと世間からしたら選手の妻をするのは大変だというイメージがあるのだろう。

実際、私もゴリラと暮らすまでそう思っていた。

多分、これには芸能人やスポーツ選手の結婚会見の影響が大きいと思うのだ。

芸能人の結婚会見

芸能人は結婚をしたら会見を開くことがあるが、彼らは趣味でやってるわけではない。

会見での見せ方によってその後の仕事が変わる、仕事の幅を広げるチャンスなのだ。

仲良し夫婦で幸せを前面に押し出せば、ママタレントに転向したり、夫婦でセット出演もできる。

いわば業務提携のご挨拶みたいな意味でもある。

逆に結婚によってあまり色をつけたくない場合は、ファックスのみで報告ということもある。
(常々不思議なのだが、なぜ芸能人は今時結婚報告をファックスで送るのだろう。PDFではダメなのだろうか?)

しかし、俳優やタレント同士の結婚ではなく、スポーツ選手や歌舞伎役者相手の結婚となると、妻側の様子が違ってくる。

『妻の覚悟』『妻の務め』などが必要になるのだ。

個人の活動よりも夫のサポートを優先することを、重厚な雰囲気を出しながら誓うのである。

どんなに妻が第一線で活躍していても、夫のサポートを優先する側になると見せることは、ただの結婚ではないということを印象付けるのにピッタリだ。

つまり彼らは『特別な結婚』に対する憧れをブランディングしてるのだ。

私がアメフトをやっているゴリラと結婚したら、夫を優先する妻にならなければいけないと思い込んでいたのは、後者の影響が大きいと言えるだろう。