無職に慣れない夫
今回のテーマは「最近、夫に言われたこと」だ。
そもそも会話が少ないので、何か言われることすら稀なのだが、夫は私以上に私が無職なことに慣れていないようで、未だに「明日は休みなの?」と言ってきたり、私以上に「これで大丈夫なのかしら」と不安を覚えているように見える。
それは私も完全に同意なのだが、私までオロオロしたら余計不安をあおるだけなので、私はとても無職とは思えぬ貫禄で「大丈夫」という体を装っている。
そう言えば、無職になることが決まった後「あなたが家にいるようになったら俺の家事負担は減るのだろうか」と言ってきたことがある。
任せとけ、とも言えないので、お得意の半笑いをお見舞いしたところ、夫は「安心しろ、俺のやることは変わらない」と言った。
そして言葉通り、今まで通り、ずっと家にいる私を差し置いて、洗濯を干したり、休みに庭の草を取ったりしている。
夫の本音としては「まさか、こんなに変わらないとは夢にも思わなかった」だろうから、明日「洗濯は私がやる」と提案しようと思う、明日。
Text/カレー沢薫
次回は<彼氏ほしい〜と鳴いていた頃の「夫とのなれそめ」>です。
立体感のある男に興味があった時期が数年しかないというカレー沢薫さん。その時期が人生史上最も「ただれていた」という暗黒期でした。暗黒期を経て現在の夫と結婚するまでに何があったのでしょうか。今回のテーマは「夫とのなれそめ」です。
カレーなる夫婦生活が書籍化!
夫婦コラムのはずの本連載が、土方歳三への愛を綴った廃人日記として書籍化されました。
愛に生き愛に死ぬカレー沢さんのガチャ爆死録は必見です!