結婚=不自由になるわけではない「結婚に向いていない人」/カレー沢薫

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今回の「テーマは「結婚に向いていない人」である。

「向き不向き」というのは生きていく上でとても重要なことである。

ちなみに私は「社会」に向いていない。 だがその一方で「どれだけ外に出なくても狂を発しない」「壁と会話できる」などの才能には恵まれている。

その能力を生かして就いたのが現在の職業「無職」である。

今、私はその才能を如何なく発揮し、無職の現場(自分の部屋)で大きな成果を上げている。

「社会」などという不向きな場所にいては、この才能を殺すことになっていただろう、危ないところだった。

このように、人は向いていることをした方が成果を出しやすい、逆に言えば向いてないことは、最初から避けた方が良いのだ。

「結婚」もそうだ。 結婚が人生におけるマストでない今、結婚も向いていないなら避けるべきものの一つとなっている。

では、結婚に向いていない人とは、どういう人だろう。

知らん。私は結婚や家庭アドバイザーではないのだ。

よっていつも通りインターネットに聞いてみた。この「インターネットとどれだけマブダチになれるか」も無職として不可欠な才能なのだ。

すると調べて見たところ、主に「自由がなくなるのが嫌な人」「親戚づきあいが煩わしい人」「家事が嫌いな人」「結婚しても恋愛してしまう人」などが「結婚に向いてない人」として挙げられている。

私の場合「結婚しても恋愛してしまう人」以外当てはまる、恋愛の相手に「二次元の男」が含まれるならパーフェクトだ。

正直、結婚に向いてない人より「結婚に向いてない人と結婚してしまった人」の方が遥かに不幸なのである。 そういう人間は結婚しても、独身のように自由に振る舞い、親戚づきあいを疎い、家事をせず、恋愛をしてしまうからだ。

つまり私の夫は私と結婚したせいで不幸なのでは、と思うかもしれないが、それは違う。 何故なら、結婚は1人では出来ないことだからだ。 私がクッパのごとく夫を攫って結婚したというなら別だが、昨今、は結婚は大体二人の合意で行われている。

よって、この不幸は「私」と「私を選んだ夫」によって起こった物だ、過失割合は5・5である、つまり夫も同じぐらい悪い。

このように結婚に向いてない奴は「すぐ開き直る」ので、この点でも相手は不幸だ。 結婚というのは、どれだけ相手に過失があっても「それを選んだ責任」を問われ、どれだけ頑張っても「8・2」ぐらいにされる交通事故より理不尽な世界なので、そこに納得できない人もしない方がよい。