「円満」を目指してはいけない

むしろ家族というのは「すべて円満」「夫婦は全部認め合い、わかりあうべき」を目指すとムリが出てくる。 もし「円満な課金」を目指そうというのなら「私の幸せがお前の幸せなんだから私のすることは全肯定しろ」「この17万の土方さんをカッコイイと言うまで部屋から出さないし、食わせないし寝かさない」と強要することになってしまう。

夫婦といえど、全部「わかる」とはいかないのだ。むしろ「全くわからないし、出来ればやめて欲しいが、家庭を壊す規模でもないので、ほっとくしかねえ」ということが多々ある。

しかし「わかろうとして干渉する」より、この「ほっとく」の方が家庭円満に繋がるケースも多いのだ。
もちろん「真実を知るのが怖すぎてほっといたら自宅が競売にかけられていた」という場合もあるし、私もほっといたらエラいことになってるタイプなので、ほっとき過ぎもよくないが、騒ぐほどのことでないなら、ある程度ほっといた方が余計な諍いが減る。

ちなみに、ほっとかれるコツは「イチイチ言わない」ことだ。
夫とて私に逐一「三千円課金した」「興が乗ってしまったので三万いった」と報告されたら「おっ?これは黙っちゃいられねえな?」となるに決まっている。

よって「家庭円満な課金法」があるとしたら「使った金額を絶対正直に言わない」ことだ。

ちなみに今回のテーマは「怒られない課金の仕方」ではない。「夫がいてよかったこと」だ。

夜一人でいるのは怖いので、いてくれて良かった、と毎晩思っている。

Text/カレー沢薫

次回は<まさか夢にも思わなかっただろう「最近、夫に言われたこと」>です。
満を持して(?)無職になったカレー沢薫さんのコラム。夏が目前の今日この頃、今回のテーマは「最近、夫に言われたこと」です。

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