夫には下ネタギャグが使えないというハンデ「夫婦の笑いのツボ」/カレー沢薫

今回のテーマは「夫婦の笑いのツボ」である。

このネタ前にもなかったか、でもそっちが同じネタを出すならこっちも同じ話を書いたるという、これこそ何回やったかわからん書き出しで始めようと思ったのなだが、なぜか今回は胸騒ぎがした。

ちなみにこういうネタ被り気配を察知した時は、イチイチバックナンバーを確認しに行ったりはせず、本当に被ってたら被ってたで別にいいやという気持ちで書いてきた。

良く言えば、おおらか、悪く言えば同じ薬を日に12回飲むオーバードーズおばあちゃんである。

ロンドンゾンビ紀行ではあるまいし、いつまでも同じテーマを出したような気がする担当と同じテーマを出されたような気がする作家のスーパーヨボヨボ対決をしている場合ではない。

だがそれ以上に今回は確認せずに「前にも書いたぞ」と言ってはいけないような気がした。

そんなわけで初めてバックナンバーを確認しに行ったのだが、探しても同じネタがない。

自分の勘違いだったのか、ならば鬼のヘッドをハントしたかのようにネタ被ってるぞと言わなくて本当に良かった。

いつもは五感中四.五感が眠っている私だが「このままでは担当に借りを作る」という事態になると、鼻の下に第三の目が現れるのである。

しかし、それでも書いた覚えたあるので第三の目にVロートアクティブプレミアムを点して探したところ、なんと全く別媒体で「カップルの笑いのツボ」というテーマで記事を書いていたことが判明した。

つまりその媒体の記事を今からここにコピペしてもここでは初出だから構わないだろう、ということだが、第三の目が「それはやめた方がいい」などと真面目ぶるので目潰しを食らわせたら、奇しくも自分で人中に鉄菱をキメることになった。

夫婦の笑いのツボだが、おそらく私と夫のツボは合っていない、私が夫を笑わせようとして言った言葉は大体、ドン滑り、最悪ドン引きなのである。

ただこれは私と夫のギャグセンスが合わない、というより私が相手に合わせたギャグが言えていないせいな気がしてきた。

ウケているかどうかは別として、私が100万回は言っている無職ジョークも他人であれば笑えるだろうが、配偶者が無職というのは「自分も無職」でない限りは全く笑えない。 つまり夫も無職になってくれれば、私の渾身の無職ギャグで笑い合える日が来るのだと思うが、できれば無職ギャグが滑る環境のままでいてほしいと思う。