それでも離婚を推奨したことがある

そんなわけで、求められなかったら当然、求められても、友人の人生をどうしたらいいかというアドバイスは極力しないようにしています。そんな私でも、過去、友人に「離婚したほうがいい」と強いアドバイスをしたことがあります。

その友人は結婚後、人付き合いが極端に減りました。理由は、友人が外で誰かに会うことを夫から極端に嫌がられるというもの。

友人は仕事中でも、所在を伝えることを求められていました。残業したなら残業していることが分かるように写メを撮って送る。飲み会に参加するなどもってのほか。たとえ複数人の男女がいたとしても、男性がそこにいるというだけで浮気をしているのではないかと疑われるわけです。

友人からこの話を初めて聞いたとき、私は「四六時中監視されているってことでしょ? 息苦しくない??」と言ってしまいましたが、「私が愛されている証拠だと思うの」と嬉しそうに語っていました。。

モラハラがエスカレート

結婚してから1~2年経つ頃には、友人からの電話やメールには「私が悪いのかな」「彼の期待に応えられなくて辛い」という言葉が溢れかえるようになりました。

友人はフルタイムの共働き夫婦でした。帰る時間はほぼ同じ、時には妻である彼女のほうが遅いこともあるのに、夜ご飯の準備や炊事洗濯掃除はすべてやっていたそうです。しかも、家事のクオリティは専業主婦であった友人の夫のお母さんと同じレベルのものを求められていたらしい。

もともと潔癖症であった友人の夫は、キッチンが汚れていることやゴミが多少落ちていることも許さなかったそうです。そうして「君は何度言ってもダメだな」「こんなこともできないなんて僕のことを愛していないんだ」となじられていたそうです。

ここまで聞いて、私は友人に「離婚したほうがいい」とアドバイスをしました。

「でもでも」「だって」

彼女は最初、私の言葉に耳を貸さず、「それでも私のことを愛している証拠だと思うの」と「でもでも」「だって」を繰り返していました。最初に書いた通り、本人がしたいようにしか本人は動かないというそのものですね。Aは愚痴を吐き出して聞いて欲しいだけで、別に解決したいとは思っていなかった。

私が彼女の人生を背負えるわけではないですし、離婚して必ずハッピーになるとは言えません。それでも私は、長く付き合ってきた友人が苦しんでいるのを見て、アドバイスを続けました。

「私にはその彼はおかしく見える。このままではあなたはもっと辛くなるだろう。あなたを愛してくれる人は私含め、たくさんいる。思い浮かぶ信頼できる人にあなたの状況を話してほしい。みな、あなたの味方になってくれるはず

と。

私だけの意見だけでは動かないのは分かっているので、他の人にも意見を求めるようにお願いしてみたわけです。