あの人が明日死んでしまったら…

4ec9ea9702c4e55f91a50738cc8a2920

話が変わるが、ごくたまに今放送されているガンダムを見る。(※現在は放送終了しています)

日曜だけテレビの部屋で夕食を食べることが多いので、そのときテレビをつけて、やっていたら見る、ぐらいの感じだ。

ある日など、テレビをつけたらいきなり、イケメンと幼女がソファーでイチャついていたので「もしかして神アニメを見逃していたのか?」という気になったが、ガンダムである。毎回そういうノリではないだろう。

そう何せガンダムなのだ。ガンダムが戦うし、人がよく死ぬのである。毎回見ているわけでもないのに、見るたびに結構誰かが死んでいるのだ。

そのたびに「このキャラのファンは明日からどうするのだろう」と思う。大きなのっぽの古時計みたいに、一緒に天国に上るのだろうか。

しかし、何度も言うがガンダムだ。見る側は常に「今日、推しが死ぬかもしれない」という覚悟で見ているだろうし、喪服、もしくは白装束で視聴しているものもいるかもしれない。

それは『活撃 刀剣乱舞』にも言えることだ、これだけ「破壊があるかも」と言われているのだから、全キャラのファンが「推しが死ぬかも」と覚悟しているはずだ。山伏国広クラスタだって覚悟している。

山伏が折れるような世界滅んでしまえと思わなくもないが、それでも一応全員覚悟しているはずだ。

覚悟しているとしていないのでは、ダメージが違う。

人体とは不思議なもので、不意打ちで刺されると即死してしまうが、刺されるとわかった上で刺されると、とりあえず一命を取りとめ、長く苦しんで死ぬことができる。

だからすでに、推しが死ぬこと前提で「せめて物語上、意味ある死にしてくれと」と願っている未亡人もいるだろう。

つまり我々が真に心配すべきなのは、すでに続編が決まっている「花丸」のほうなのだ。多分、視聴者全員、花丸では誰も死なないと思っている。そんな油断とぬるま湯の中、誰かが死んだら、あとはお察しである。

つまり、今年七月はおろか、来年一月まで全く気が抜けない。担当の質問などに答えている暇などないのだが、一応今回のテーマは「夫に惚れなおすとき」だ。

惚れなおすとは違うかもしれないが、つき合っているときは、どうしても相手を「ときめき」や「おもしろさ」重視で見てしまうが、結婚したら、おもしろ無職や、ときめきモラハラ野郎では困る。

夫は「彼氏力」より「夫力」のある方なので、夫になってから気づく良さがたくさんあった。

それと、最近、夫がカーディガンを着ていたのだが、それがすごく似合っていた。

Text/カレー沢薫