人と行動することが苦手な私が「夫とデートするなら」/カレー沢薫

カレー沢薫のカレーなる夫婦生活
kare-naru21_1
(C)Nitroplus・DMM GAMES/「活撃 ?剣乱舞」製作委員会

はじまってしまったな『活撃 刀剣乱舞』

はじまったと同時に俺が終わるのではと危惧されていたが、めでたいことに二話見た時点でキャラが誰も死んでいないので、残念ながら俺も死んでいない。

あと長谷部がまだ出てない。(自分の名前すら三時間ごとに忘れるお前らに教えてやるが刀剣乱舞のキャラクターへし切長谷部だ)

それにしても、同じゲームを題材にしているのに、花丸とは全く違う。

単話日常コメディと、シリアスストーリーものなので、違うのは当たり前だが、ギャグとかシリアスとか抜きにして、刀剣男士、性格事態に差異がある。

まず一話目が放送された時点で、兼さんこと和泉守兼定について「兼さんが大卒だ」と我がTLが騒然としていた。つまり活撃の兼さんはかしこなのである。

それに対し「おいおい、兼さんは最初から大卒だっただろ、何だったら院まで行ってる」という感想を抱いた者もいるだろう。しかし「最終学歴小学5年」だと思っていた者にとっては衝撃だったのだ。

もちろん、どっちの兼さんが正しいというわけではない、あくまで活撃の兼さんが大卒だっただけで、小学三年を3留している兼さんがいる本丸だってあるのだ。

とうらぶの良いところは、本丸(プレイヤー)の数だけ刀がいるので、花丸や活撃などの公式内ですら、何が起こっても「よそはよそ、うちはうち」というオカンスピリットで乗り切れるという点である。

しかし、花丸と活撃が違うのは描かれ方や内容だけではない、見る方の佇まいも全然違うのだ。

私がどのような活撃を見ているかというと、一言で言うと「静か」である。

もちろん、シラけているわけではない。微動だにせず飲んでいるのだ、固唾を。

花丸の場合は、OPに長谷部が出てきた時点で一時停止し、30回ぐらい起立と着席を繰り返していたが、活撃はそんなことをしている間に何が起こるかわからない。静かに、そして覚悟しながら見なければいけない。

思えば、花丸はアイドルのコンサートみたいなものだった。ひたすら壇上で歌い踊る推しが見れたので、こちらも安心して騒げたのだ。

片や、活撃は推しアイドルが出演している、世界滅亡系映画を鑑賞しているような気分だ。

推しが劇中で死ぬかもしれない、むしろ死なない可能性の方が低い気すらする。死なないにしてもヒドイ目に遭うかもしれないし、それを見てこっちも終わってしまうかもしれない。

だが、見ないわけにはいかない。何故なら推しが出ているからだ。

それを考えると、安心して見れるはずだった場で、推しアイドルに結婚宣言されたファンはどんな気分だったのだろう。前にも言ったが「花丸で推しが折れた」ぐらいの衝撃だっただろう。想像を超えている。

想像だとしても、推しが折れるのはつらいことだ。しかし見なければいけないのだ。何故なら長谷部がこれから出るのだから。

むしろ出ない方がこっちは終わってしまう。

というわけで今回のテーマは「夫とデートするなら」である。