「旦那さん」「奥さん」呼び論争で思うこと

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こんにちは、斗比主閲子です。

こんなお題をいただきました。

妻、嫁、奥さん、夫、旦那など、自分のパートナーを対外的にどのように呼ぶのがベターか、また、友人や同僚のパートナーに対して、どう呼びかけるのがベターか、教えてください。

ネットでは定期的に話題に上るテーマですね。ちょっと考えてみます。

どう呼ぶべきという答えはない

まず初めに、ちゃぶ台ひっくり返すようで申し訳ないんですが、対外的に自分の配偶者に言及するとき、または、対外的に他人の配偶者に言及するときに、どう呼ぶべきかという答えは特にないと考えています。正確には、どう呼ぼうが個人の自由というか。

次長課長というお笑いコンビのネタの中で、「これがこれでこうなんで」と小指を立てて、お腹のあたりを触るというジェスチャーが含まれたものがありました。ジェスチャーの意味としては、小指を立てた「これ」は彼女とか不倫相手とかを指していて、お腹のあたりを触るのは妊娠しているからで、だから飲み会には行けないと上司に伝えるというものです。

サラリーマンあるあるというネタでウケていたと思うんですけど、今、実際に会社員の男性がこの動作をすることは見かけないんじゃないでしょうか。もともとがコテコテなサラリーマンがやるものという位置付けだったということもあるでしょうし、今やると、自分のパートナーの扱いが雑すぎるという反応を周りがするというのもあると思います。

ポリティカル・コレクトネスというと堅苦しいものの、言葉をどう使うかというのはその社会の有り様というのはあるし、個人のポリシーもあります。配偶者の呼び方にしても、トレンドはあったとしても、正解はないというのがまず大前提としての私の考え方です。

では、実際何て呼ぶ?

前置きが長くなっちゃいました。本題に入ります。
では、我が家が実際にどうしているか。

仲の良い友人・知人の前だとあだ名で呼びます。結婚前からの呼び方で、家でもそう呼ぶから、外でも気の置けない関係の相手の前なら、あだ名呼びが気楽です。
私のパートナーにまったく面識がない人も中にはいるので、そういうときは、パートナーと呼びます。
ちょっと公式な場に出たら、夫と妻になります。

嫁、というのはたぶん一度も登場したことはないかも。嫁って百歩譲って姑が使うなら分からなくもないけど、配偶者が呼ぶのは何か違うなと思うし、嫁を使っちゃうと対義語で婿を使うことになるけど、婿は婿養子ぐらいの意味合いを持っちゃう気がして、嫁・婿は使いません。

旦那とか、奥さんとかは、使っている人を見かけることは結構あるので、メジャーなのは分かるんですが、こちらも使うことはありません。ネットで旦那とか奥さんという呼び方が差別的だという議論があった影響を受けた……というのも否定しませんが、旦那は目上のもので、奥さんは言葉通り奥まったところにいる感じがして、私たち夫婦の関係性からするとかなり違うなと思い、違和感があって使っていません。

語源を探れば、妻(つま)は夫の添え物ということだから、旦那さんや奥さんが違和感あるなら、妻も違和感あるのではとお思いの方もいらっしゃるかもですが、私の拙い古文の知識では、かつては夫と書いて「つま」とも呼んでいたと理解していまして、夫と妻は結局、同列だろうと頭の中で考えて使っています。