裏切り者っぽい気持ちで、旦那さん、奥さんと呼ぶことも

自分たちの呼称は鉄板で決まっているとして、今でも不安定なのは、友人・知人の配偶者を呼ぶときです。

まず、夫や妻というのは自分たちのことを呼ぶときに使うものであって、「あなたの夫は年収いくら?」みたいに使うと失礼に当たるという感覚がある(それ以前に、夫の年収を聞くのが失礼ですが)。

若い人たち相手なら、彼氏とか彼女とか使うこともあります。結婚前の時代もあっただろうから、そのときなら彼氏彼女で呼ばれていたわけで、違和感がないかなと思って。

相手がリベラルな感じがする人ならパートナーと呼びます。本当はパートナーで全統一したいんだけど、まだまだ浸透していないので、使う場は限定しています。

難しいのが公式の場です。冠婚葬祭であったり、パーティみたいなところで、相手の配偶者を呼ぶときは、何だかんだで、旦那さんや奥さんが一般的に使われてるんですよね。仲が良かったり、配偶者のファーストネームを知っているなら、名前呼びもありなんですけど、知らないことも多々あるわけで。

保護者会とか子どものイベントであれば「○○ちゃんパパ/ママ」で逃げられないこともないわけですが(これも若干の抵抗がある)、そういう場を除いた公式な場面だと、旦那さん奥さん呼びが定着しているから、乗らざるをえない。私も自分の心を裏切りなら旦那さん奥さんを使うことがあります。

たかが言葉なんだから気にせず使えばいいじゃないかというのはその通り。ただ、夫婦の関係性はフェアでありたいと考えていて、言葉でもフェアな感じを示したいなと思い、色々使い分けている次第です。

正解はないけれど、個人的にはパートナー呼びが定着すると、使い分けを意識しなくてよくて楽だなと思ってます!

Text by斗比主閲子
※2017年4月11日に「TOFUFU」で掲載しました。