過去を悔い、改心していく中で、“優しい彼”になっていますように

わたしがあなたと同じ状況に陥った場合、「どうしてあなたはあのとき笑いながら話したの?」と追及します。

もしも彼が、「いやだって、もう昔の話だし」「ちょっとヤンチャしていた程度だから」などと言うようであれば、彼とは今後付き合っていけないでしょう。
これから先、もしも子供を持つことになったら、自分の子供が彼と同じようなことをしたときに彼はきちんとした理由を持って叱れるのか。自分の子供が彼がしたことの被害に遭う側の人間になったときに、彼は自分の子供を正しく守れるのか。そういった心配を拭うことができませんから。
そして、彼の口ぶり、表情から、ほんとうに反省しているのを感じ取れたのであれば、一度向き合って話し合ったうえで、今後どうしていくかをそのとき改めて決めます。

過去との向き合い方って、とても難しいんですよね。
生きていたら、間違ってしまうことは誰にだってあります。
反省して、改心して、それでも一生許されないのは、とてもかなしいことだと思うのです。
一度でも過ちを犯してしまえば、その先の人生はずっと真っ暗で、絶対に幸せになってはいけないかというと、そうではないはずです。

ただ、被害に遭った方からしたら、きっとそんな風には思えないので、これはあくまでも第三者目線での意見です。
被害に遭った方々こそ、心の置き場所はとても難しいもので、関係のない誰かが介入してはいい部分ではありませんから。

でも、許す、消化する、飲み込む、受け入れるなど、被害に遭った方の中の感情がどう動いていくのかは、やった側の人間がどう向き合っているかがとっかかりになるのだと思います。

罪と向き合って、反省して、最後まで背負って生きている人のことを、関係のない人たちがいつまでも許さないで責め続けていいかというと、きっと違いますよね。
更生の機会が永遠に与えられないままというのは、誰にとっても救われないのではないでしょうか。

あなたは彼の行動によって実害を被ったわけではありませんが、恋人というとても近しい関係性にあります。
だからといって、彼の過去に一緒に向き合わないといけないわけではありませんが、過去ありきの今の彼と向き合う機会はあったほうがいいのではないでしょうか。
彼が言う昔の話は、“ほんとうに昔の話”なのか、そして彼の過去にあった事実は、一緒にいる未来を想像したときにあなたに陰を落とす心配はないのか、きちんと見極めてください。

現在のあなたに対して誠実でやさしい彼は、過去を悔い、改心していく中で形成された人柄であることを願っております。

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最後の一歩が踏み出せない方の背中をドーン!と押すため、今にも崖から落ちそうになっている人を腕一本で引き上げるため、誰かに厳しく叱られたい方の左頬をフルスイングで打つため、わたくしポジティブゴリラは日々ゴリラらしく腕力を鍛えてお待ちしております。

Text/ものすごい愛
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