こんなにそっくり!『離婚』と『東ラブ』の共通点

『最高の離婚』(以下『離婚』)には、『東京ラブストーリー』(以下『東ラブ』)のキャラ設定や人物相関、物語構造を、おそらくわざと反復したり、逆転させたと思われる要素がたくさん出てきます。

 がさつな妻・結夏(尾野真千子)と神経質な夫・光生(瑛太)という『離婚』の夫婦は、奔放なリカ(鈴木保奈美)とそれに振り回されるカンチ(織田裕二)という『東ラブ』のふたりの関係にどこか似ています。
今あらためて『東ラブ』を見返すと、実はカンチって自分からはほとんどアクションを起こさず、ウジウジと優柔不断な草食系なのですが、そんな“巻き込まれ型”なところも光生にそっくりですよね。

 また、上原諒(綾野剛)と灯里(真木よう子)は、浮気性で女遊びが激しい三上(江口洋介)と、それに傷つきながらも耐え忍ぶさとみ(有森也実)の関係そのもの。
自分に未練があるとわかっていながら、ことあるごとにカンチを頼って助けを求めるさとみは、面倒くさい地雷臭のする女ですが、その片鱗はある意味『離婚』の灯里にも確実に受け継がれていました。

『東ラブ』と『離婚』、どちらも第5話で二組合同の温泉旅行に行くなど、プロット上の共通点も見受けられます。
『東ラブ』には、「ねえ、セックスしよ」という有名なリカのセリフがありますが、『離婚』にも、灯里が「いいじゃん、一回寝てみよう?」と光生に持ちかけるシーンがありました。
どちらも女性から主人公を誘うという意味では対応していますが、『離婚』では誘う立場が『東ラブ』と逆になっている(さとみポジションの灯里が誘う)のは興味深いところです。

 また、細かいネタですが、『東ラブ』には長崎尚子(千堂あきほ)に不満をぶつけられた三上が、「酔ってんのか?」とたしなめるシーンがあります。
一方『離婚』には、イラつく灯里に「酔ってる?」と聞いた光生に対して、結夏が「あー出た、女が本音しゃべると“酔ってる”呼ばわり」という、まるで12年の時を経たセルフツッコミのようなセリフが登場するのです。

 このように、『最高の離婚』が『東京ラブストーリー』を意識的になぞっているのは、ほぼ間違いなさそうです。

 しかし、そんな『東ラブ』と『離婚』にも、決定的に大きく違う点があります。
それは、物語の結末です(※以下、ネタバレ注意)。