「セフレも恋人も結局やってることは同じじゃない？問題」を考えてみた

好きってなんだっけ
恋ってなんだっけ
ていうか、恋人ってなんだっけ？
セフレと何が違うんだろう
やってること一緒じゃん

脳はそういう勘違いをして自分を正当化しようとする。
なにもかもうまくいかなくてわけわかんなくなってしまって過ちばかり犯してしまう女や、ただ遊びたいけど遊んでる人に見られるのは嫌だから悟ってるふりをしている男にありがちな現象。
実は私も上のようなことを思って開き直っていた時期がほんの一瞬だけあった。

セフレといえども、ご飯くらい行く。
泊まりで朝起きたらやっぱりどこかカフェくらい入るし、何も無い日ならぶらぶら街を歩いたりもする。時にはノーセックスで過ごす夜もある。楽しくおしゃべりもする。オススメされたNetflixの番組だってなんとなく観るかもしれない。なんでもない電話だって、するときもある。

この関係が「セフレ」じゃなくて、もう少し誠実味のある名称だったらいいのになあ。
なんてことを思う人はきっとまあまあいるはずだ。
じゃあなんて名前をつけたらいいんだ。セックスもする親友？　残念ながら誠実さのかけらもない。

あるとき私はこんなことを男から言われたことがある。

セフレも恋人もやってることって同じだよなあ、と悩んだことはあったけど、「同じだよね」と人から自分に投げかけられたのはそれが初めてだった。
それまではずっとぼんやりとこの難題の答えが見つからずにふわふわと浮かべて放置していたけれど、一瞬にしてパンとはちきれた。

「いや、違う、違うよ。明日突然会えなくなってもどうでもいいのがセフレで、どうでも良くないのは恋人なんだよ。セフレは消えてもまた探せばいい」

とっさに出た自分の言葉をなぜだか今でも覚えている。半分自分に対して言い聞かせている感じもした。
セフレも恋人も違いがないと本気で思っているとしたら、それは本気で愛したことがないからだろう。私も本気で男を愛したことをまだないけど、自分の飼っている犬が突然家からいなくなったら頭が真っ白になるだろうし、必死で探すと思う。
代わりを見つければいいと切り替えられるとしたら、それは相手を自分の寂しさをただ満たすためだけの道具としてしか見ていないからだ。（犬と人を並べるのもおかしな話だけど……）