死ぬまでには観ておきたい映画のこと

堤幸彦監督最新作! “愛”なんて便利な言葉はこの映画に通用しない『くちづけ』

知的障害者の自立支援ホーム『ひまわり荘』で出会ったマコとうーやん。子どものように純粋な2人は愛し合い、結婚の約束をするが――。『TRICK』シリーズや『明日の記憶』など、多くのヒット作を手がける堤幸彦監督の最新作。

 子どもの頃はもっと素直だった。
好きな人に何も考えずに「好き!」と言えた。手を繋げた。「結婚しよう!」なんて無邪気に言ったこともあるかもしれない。この映画のマコとうーやんみたいに。

 でも、2人は30代。世間から“知的障害者”と呼ばれる2人は、他の30代には到底出来ない純粋な愛し合い方をしていた。それがちょっぴり羨ましく思えたし、憧れた。

くちづけ 貫地谷しほり 竹中直人 宅間孝行 橋本愛 田畑智子 東映
© 2013「くちづけ」製作委員会

 だからこそ、マコの残酷な死には言葉を無くす。それは、映画の冒頭でわかる事実ではあるが、頭痛がするくらい涙が溢れる。割れたビンの破片が飛び散るように、幸せが大きな音を立てて崩れていく。
愛情がこれほどまで辛く、儚いものとは。

マコとの結婚を待ち望むうーやんの姿は、スクリーンが涙で滲んで直視できない。 映画やドラマなどで数々のヒット作を生み出してきた堤幸彦監督が、演劇集団・東京セレソンデラックスの伝説の舞台を映画化。脚本を手がけたのはこの劇団の主宰・宅間孝行。彼は本作でうーやん役としても出演し、映画初主演となるマコ役・貫地谷しほりとピュアな恋愛模様を繰り広げます。
マコの父役には、俳優のみならず映画監督としても広く活躍する竹中直人。彼らが過ごす『ひまわり荘』には田畑智子、橋本愛、岡本麗、麻生祐未といった豪華な女優陣が出入りし、個性豊かなキャラクターと絶妙なセリフがたまらない。
アットホームで温かい人間模様に笑い、そして涙してしまいます。