ストーリー

 高校生のタカオ(声・入野自由)は靴職人を目指している。雨が降ると学校をさぼり、公園に駆け込んで靴のスケッチを描く。そこで年上の女性のユキノ(声・花澤香菜)に出会う。彼女は何かに逃げるように、公園でひたすら缶ビールを飲んでいる。
謎めいたユキノにタカオは惹かれ、雨の日が続くたびに二人は会い、互いに心を通わせていく。
ユキノは人生がうまくいかず、路頭に迷っていた。タカオは彼女がうまく歩けるように靴を作り、やがて気持ちを打ち明けるが――。

恋は景色を一変させ、人をポエマーにさせる

 本作の最大の特徴は映像美。もう、最初から最後まで驚きの連続です。
恋の舞台は新宿御苑。『秒速5センチメートル』でも小田急線の豪徳寺駅を劇的に変えてくれましたが、今回の作品は普段見慣れた新宿の景色が一変。二人の感情によって地雨から夕立、小雨から豪雨へと空の機嫌が変化するけれど、その天気はまるで恋みたい。心に傘を持ち合わせていないから、タカオもユキノもズブ濡れの号泣状態になってしまうのです。

 クライマックスで二人が感情を吐露しあう場面。これにはとにかく心が揺さぶられます。
激しい雨のように互いの言葉が降り落ちる。感情を表に出さない者同士がぶつかるとき、頬を伝う液体はもはや雨ではない。雨上がり、大きな水溜りは涙となる。と、ちょっぴりクサイことを平気で言わせてしまうキケンな映画だ。

 叙情的な映像美は観る者をポエマーにさせます。
夢と恋に没頭するタカオのナレーションなんて完全にポエマー。正直恥ずかしいくらい。でも恋はちょっとイタイくらいがちょうどいい。虹なんか出たらもう完全にノックアウトです。
映画を観た帰り道はポエマーになり、ブログやツイッターはポエムで埋まるはず。気をつけてください!

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