フランスのマルセイユを舞台に、また一つ“愛”をめぐる傑作が誕生しました。
監督は、ヴェネチア国際映画祭で絶賛され、ルイ・デリュック賞新人監督賞を受賞した女性監督レア・フェネール。女性監督ならではの視点と、優しさと強かな人間描写によるヒューマンドラマが堪能できます。
監督は3年間、刑務所でボランティア活動をした経験があり、そこから着想した脚本の説得力と巧みな演出力は必見。受刑者と面会人の姿を通じて、それぞれの愛の形を浮き彫りにします。
初恋の相手・アレクサンドル(ヴァンサン・ロティエ)が暴行罪で逮捕されてしまい、刑務所に面会を求める少女・ロール(ポーリン・エチエンヌ)は、偶然知り合った病院スタッフに頼んで一緒に面会室に向かう。ステファン(レダ・カテブ)は自分と瓜二つな受刑者と、多額の報酬と引き換えに身代わりになる。息子が殺されたゾラ(ファリダ・ラウアッジ)は、その真相を知るために加害者の姉・セリーヌ(デルフィーヌ・シュイヨー)と身分を隠したまま接触する。やがて息子の知られざる人生を知っていく……。
土曜日の朝、それぞれの“愛”が面会室で向き合う。三組の運命はいかに――。
本作の登場人物はみんな愛を巡って路頭に迷い、もがき苦しみます。
全く接点のない三組が、それぞれ刑務所で運命を切り開こうとします。己自身の愛に問いかける様は、愛のために生きるすべての人の心に突き刺さるはずです。
もし面会室に行くとしたら、その相手はあなたにとってどんな人なのでしょうか。
この映画をぜひ、真正面から向き合いたい“愛”を持っている人とご一緒に。
12月15日(土)よりシネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー!!
監督:レア・フェネール
キャスト:ファリダ・ラウアジ、デルフィーヌ・シュイヨー、レダ・カティブ、ポーリン・エチエンヌ、マルク・バルベ
配給:ビターズ・エンド
原題:Qu’un seul tienne et les autres suivront/2009年/フランス映画/120分
URL:映画『愛について、ある土曜日の面会室』公式サイト
Text/Michihiro Takeuchi