少年が亡くなった愛犬を蘇らせる？　『フランケンウィニー』

　誰にでもペットとの思い出はあると思います。どれほど愛していても、やがて来るお別れのとき……そんな悲しみに耐え切れず、ペットを蘇らせてしまった（！？）少年のお話を紹介します。
監督は『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』『アリス・イン・ワンダーランド』など、数多くファンタジー映画で世界中を熱狂させ続けているティム・バートン監督。彼が1984年の無名時代に撮った同名短編がモチーフにされており、モノクロの3Dストップアニメーションとして鮮明に蘇ります。それこそ、亡くなった犬とともに。

　小さな街に暮らす少年ヴィクター（声：チャーリー・ターハン）には、友だちがいない。唯一の相棒は愛犬のスパーキーだった。家に帰るとすぐに実験室に入り、科学と映画作りに熱中していた。
ある日、不慮の事故でスパーキーが亡くなってしまう。悲しみに打ちひしがれるヴィクターは、驚くべき手段を取る。落雷の力を利用して、つぎはぎだらけの“フランケン（犬）”として蘇生させてしまった。やがてそのことが周囲に知れ渡り、大騒動に発展していく――。

　愛するペットを失ったとき、「蘇生させる！」という発想は誰にも思いつかないでしょう。少しぶっ飛んだお話にも見えますが、愛するものを失ったときの悲しみや絶望は誰でも同じ。ヴィクターのピュアな気持ちに、あなたの心も揺れ動くのではないでしょうか。
ちょっぴりブラックでユーモアたっぷりに溢れたこの映画は、この冬の大切な一本になるはず。ぜひ、あなたにとって亡くなったら蘇らせたいくらい愛している人とご一緒に。