世界中から愛され続けている王妃マリー・アントワネットを題材にした物語は数多く存在します。しかし本作は、それらとは全く違うアプローチで当時のヴェルサイユ宮殿の物語を描いています。 この意欲的な作品を手がけたのは、フランスの重鎮ブノワ・ジャコー監督。『ミッドナイト・イン・パリ』のレア・セドゥが朗読係の少女を、マリー・アントワネット役は『イングロリアス・バスターズ』のダイアン・クルーガーが演じ、ゴージャスな衣装や美術が当時のヴェルサイユ宮殿を見事に再現しています。
時は1789年、ヴェルサイユはある知らせに震える。バスティーユが陥落し、王妃マリー・アントワネット(ダイアン・クルーガー)とその寵愛を受けるポリニャック夫人(ヴィルジニー・ルドワイヤン)の名前も載った286人のギロチンリストを突きつけられる。王妃への忠誠を誓う朗読係のシドニー(レア・セドゥ)は、王妃から「ポリニャック夫人の身代わりに」という非情な命令を下される。 心酔していた王妃からの衝撃的な命令に、シドニーの運命の行方は――?
本作はヴェルサイユ宮殿でロケが敢行され、その見事な装飾と圧倒的な映像美により、当時の宮殿に迷い込んでしまったような錯覚に陥ります。
誰もが知っているマリー・アントワネットを別の視点で描かれると、こうも違うものなのかと新たな発見があります。より広い視野で、歴史を見つめられるはずです。
愛を誓い、愛のために仕えていた一人の少女の揺れ動く心情に、あなたはどう思うでしょうか。
叶わない片想いをしている方には、シドニーの気持ちに共感してしまうかも。
12月15日(土)よりTOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマ 他全国順次ロードショー
監督・脚本: ブノワ・ジャコー
キャスト:レア・セドゥ、ダイアン・クルーガー、ヴィルジニー・ルドワイヤン
配給:ギャガ
原題:Les adieux à la reine /2012年/フランス・スペイン映画/100分
URL:映画『マリー・アントワネットに別れをつげて』公式サイト
Text/Michihiro Takeuchi
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