死ぬまでには観ておきたい映画のこと

悲願のアカデミー賞主演男優賞!息遣いがすぐそこに…レオナルド・ディカプリオ命がけの復讐サバイバル劇『レヴェナント:蘇えりし者』

熊に襲われて瀕死状態のヒュー・グラスは仲間に見捨てられ、最愛の息子を殺される。生き延びた彼は、裏切り者への復讐を誓って300kmの過酷な旅に出る——。レオナルド・ディカプリオが悲願のアカデミー賞主演男優賞を受賞! 壮絶な実話のサバイバル劇。

たけうちんぐ 映画 レヴェナント アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ レオナルド・ディカプリオ トム・ハーディ ドーナル・グリーソン ウィル・ポールター フォレスト・グッドラック 20世紀フォックス映画 The Revenant
©2015 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.

 大切な人ができると、命はもはや自分だけのものじゃなくなる。生涯を共に歩みたいし、守り抜きたいし、一人にしたくない。
ただ、それを全部奪われたらどうなる? それも信頼していたはずの仲間に裏切られ、自分の命よりも大切な最愛の息子を殺されたら?

 その時、本作の主人公ヒュー・グラスは、恐れるものなど何一つない“無敵”の人間へと生まれ変わる。それも大自然の荒波にさえ抗える、強靭な精神の持ち主に。

 近年の傑作映画の主演俳優が揃い踏みしている。『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のレオナルド・ディカプリオは本作で念願のアカデミー賞主演男優賞を受賞し、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』で世界中の映画ファンを熱狂させたトム・ハーディ、そして『スター・ウォーズ』『エクス・マキナ』など話題作に大抜擢されているドーナル・グリーソンが、憎悪に燃えるハンターの復讐劇を盛り立てる。

 監督は『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』でアカデミー賞監督賞を受賞したアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ。本作でも監督賞を受賞し、その確かな演出力とチャレンジ精神で今までに観たことのない映像世界を作り出す。

息遣いがすぐそばで聞こえてくる驚異の臨場感

たけうちんぐ 映画 レヴェナント アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ レオナルド・ディカプリオ トム・ハーディ ドーナル・グリーソン ウィル・ポールター フォレスト・グッドラック 20世紀フォックス映画 The Revenant
©2015 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.

とにかくヒュー・グラスの生命力に圧倒される。瀕死の状態でろくに治療も受けず、その辺の草から自力で薬を作り、それを火に燃やして消毒する。足もろくに動かせないのに、アリカラ族から逃れるために川を泳いで下る。

 強烈なのは、寒さを凌ぐために馬の身体を切り込んでその中に入るところ。自然に抗うために自然を味方に付ける。その強靭な精神は、凍てつく雪山を復讐で燃える炎が溶かすかのごとく。

 これだけ聞くと超人の逸話にしか思えないが、これはヒーロー映画ではない。もちろん彼は生身の人間。全てのシーンでは痛みが伝わるくらい生々しい。

 声帯を奪われたことでほとんどセリフはなく、その表情だけで絶望や憎悪を表すレオナルド・ディカプリオの気迫に胸を掴まれる。
息遣いがすぐそばで聞こえてくる。白い息も赤い血もドス黒い憎悪も、すべてレンズに突き当たるかのごとくカメラに近い。

『ゼロ・グラビティ』『バードマン』で高く評価された撮影監督のエマニュエル・ルベツキの映像はほとんど自然光のみで撮られ、カット数が少ない。人の目線に合わせた長回しのカットは、まるでその場にいるような臨場感を醸し出す。

 猛獣を映し出した映画は数多くあれど、ここまでクマを恐ろしく感じたことはない。グラスとクマの格闘シーンを見ると、今後「リラックマ」や「くまのプーさん」の印象すら変わりそうです。

『レヴェナント:蘇えりし者』前売券