世の中は言葉が溢れている。
街に行けば広告のうたい文句が目に入り、携帯を覗けばSNSのタイムラインがちらほらと。目の前の人に話すだけでは満足できず、遠く離れた相手にまで言葉で埋め尽くす。それは愛の言葉ですら。
この映画のバルフィにはそれができない。言葉が使えない。生まれつきハンディを背負った彼は耳が聞こえず、話もできない。
それなのにどうして彼の周りは愛が溢れて、人々を幸福にさせるのか。
バルフィに二人の女性が魅了される謎を解いていきましょう。
昨今、『きっと、うまくいく』、『スタンリーのお弁当箱』など良質なドラマを生み出し続けているインド映画から、また新たな作品が生まれました。
20代前半にテレビ業界でキャリアをスタートさせ、2003年から映画監督としての地位を築いてきたアヌラーグ・バス監督。本作で大きな成功を収め、2013年の第85回アカデミー賞外国語映画賞のインド公式代表作品に選出されました。
バルフィ役に、ボリウッド界の若手俳優の中でもトップクラスの人気を誇るランビール・カプール、ジルミル役にプリヤンカー・チョプラ、シェルティ役にイリアナ・デグルーズという人気女優を起用。
名作映画のオマージュを散りばめ、ハンディを背負った若者の物語ながら常にパワフルでハッピーな作品に仕上がっています。
100の言葉より、愛に満ちたひとつの心
【簡単なあらすじ】
生まれつき耳が聞こえず、話ができないバルフィ(ランビール・カプール)。心優しき彼は豊かな感性とユーモアを持ち、身振り・素振りで人々を楽しませる。
そんなバルフィに密かに想いを寄せるのは、資産家と結婚したシェルティ(イリアナ・デグルーズ)。そして、家族の愛を受けずに育った自閉症のジルミル(プリヤンカー・チョプラ)。
境遇の全く違う二人の女性の人生が、バルフィとの出会いによって静かに動き出していく——。