あなたの努力が水の泡になってしまう前に
幼少期に、親からの愛情を十分に受けられなかったことは、とてもつらかったと思います。
その原因があなたにあったわけでも、あなたが親に何かしたわけでもないのだから、なおさらのこと。
本来であれば、見返りのないたっぷりの愛情によって、意識しなくても勝手に埋められたであろう心の隙間が、大人になった今でもあなたにその存在をアピールしてきているのかもしれませんね。
その心の隙間を自分の手で懸命に埋めようと、恋愛をして、結婚して、子供を持ったことは、あなたの強さです。
得られなかったものを得たいと、それを得るために得方を知らないなりに、得ようと努力した姿勢、わたしは尊敬します。
でも、不倫をしている今のあなたは、自分の手で過去の自分の努力を水の泡にしようとしています。
それどころか、あなたの子供もあなたと同じように、親からの愛情を十分に受けられない可能性だって孕んでいるのです。
自分がとてもつらかったはずなのに、自分の愛する子供に同じような目に合わせようとしているということを、忘れてはいけません。
わたしには子供がいないので、子供のいる生活や子供を持ったときの心の変化は、正直わかりません。
人それぞれ異なる事情があって、きっとわたしの想像以上にとても大変で、到底及びきれないでしょう。
子供がいれば自分ばかりに時間もお金もかけられないでしょうし、子供が生まれたことで夫婦関係も以前と異なってしまうかもしれない。
だからといって、なんでもかんでも子供中心の生活を送るべきだとは、わたしは思いません。
それは、人それぞれの家庭の仕組みやルール、経済状況と環境に倣った考え方があるからです。
現時点では世間一般的にマイノリティーであったとしても、旦那さんに子供を任せて自分一人の時間を作って映画を見に行こうが、奥さんがフルタイムで働き旦那さんが育休を取るというかたちを選ぼうが、家族が納得していればそれで良い。
お母さんという立場になったからといって、女性としての楽しみやかわいい自分でありたいという気持ちを蔑ろにする必要はないと思います。
ミニスカートを履いて膝を出したって、マツエクやカラコンやネイルだって、何も悪いことではありません。
自分がそうありたいという姿でいることは、毎日を機嫌良く過ごせることになりますし、子供だってお母さんの機嫌が良い方がうれしいはず、どちらにとっても絶対ハッピーですよね。
「年上の素敵な男性にかわいがられて女の子扱いされる気持ち良さを思い出してしまった」とおっしゃっていましたが、あなたは今、“自分自身がご機嫌でいられる”ために、その承認欲求を他人に委ねているだけでなく、家庭外に丸投げしてしまっている状況ではありませんか?
たしかに、若くてかわいいとチヤホヤされるのはとても気持ちがいいですし、それを欲するがままにただ受け取っているだけで許される時期もあります。
子供から大人になっていく過程では、ごく自然なこと。
もちろん愛情だけでなく、教育や社会的マナーもその対象になりますよね。
でも、ただ受け取っていればいいだけの時間は永遠に続くわけではありません。
子供のいないわたしが言うには少々美徳かもしれませんが、親になったからといって自分の全てを子供に捧げる必要はないですし、親であっても個人の人格として尊重されてほしいと思います。
それと同時に、自分の決断で関わった“あらたな命”には、親としてだけでなく人間としても、与えること・育てることにエネルギーを注いでみてはいかがでしょう。
1番大切にすべき家族のルールのもとベストな状況を模索する中で、今のクレクレ精神から脱して与える側の喜びを見出してこそ、あなたの視界にチラついている心の隙間が初めて埋まるのだと思います。