変わるのは親ではなく…

「虐待は連鎖する」とよく言うが、私はこれを始めて知った時「私が子どもを産んだら虐待してしまうかもしれないから一生結婚しない」と誓ったりしていた。だがこの言葉は決してそんな意味ではない。

 私はこの「虐待は連鎖するという可能性」を知れただけでも、その連鎖を防げる予防線に十分なり得ると思っている。

 これは正直あまり言いたくなかったけど、実は「私は絶対に自分に子どもが出来ても暴力なんて振るわない」と思っていた小学生の頃、母が帰ってこなかった時は妹と2人だけの空間で、妹が私を頼ったりワガママを言ったりすることにどうしようもない不安感を煽られることがあり、そのせいで妹に手を出すことがあった。無意識に母の真似をしていたのだ。

 その時の自分に暴力の意識など全くなくて(むしろ被害者という意識しかなかった)、気付けたのは少年院に入ってから色んな本を読んだり考えたり、自分自身と向き合う時間が無限にあったからだった。
だから私やあなたの親はこの連鎖の可能性も知らずに内省することもなく、正しい子育ての仕方さえ誰にも教えてもらえなかった、ある意味可哀想な人間だと思う。

 私の母は今、すっかり卑屈でヒステリックな人間になってしまった。
暴力こそ振るわなくなったものの気に入らないことがあると物を壊したり、女であることや若さに対しての嫉妬と僻みの言葉で私や妹を侮辱する。

 もうここまでこじらせてしまうと、これから先の人生で何かを反省して大きく変わることはまず無理だろうし、求める方が間違っている。
今もこんな親の呪縛に悩まされている人がいるとしても、自分の気持ちを親に汲んでもらおうとしたり、改心させようとしたりするのは諦めてもらいたい。

 親を捨てるか、ありのままの親を受け入れて愛すかの2択しかない。そうして初めて私たちは変わることが出来る。

 もう私たちが変わるしかないんですよね。