あらゆる人間関係において“自然に”というフレーズが信仰されすぎているように思う。
これだけ婚活や恋活がブームとされている昨今でも、「自然に出会い、自然に距離を縮め、自然に惹かれあい、自然に交際して、自然に結婚したい」と言う女性たちがわたしのまわりには少なからずいる。
それこそが正しい恋愛のかたちであると思っている人は、老若男女問わずとても多い気がする。
しかし、それはちょっとおかしいんじゃないの? と、わたしは思っている。
大人の人間関係において“自然に”任せ過ぎるのは、甘えではないだろうか。
“自然に”任せていたら友達すらできない
大人になって、友達が減ったと感じる人は少なくないと思う。
ある程度の年齢を重ねれば当然のことながら、これまでの人生のステージを横一列に並んで歩んできたはずの友達とも、進学、就職、転職、結婚、出産、離婚などを機に別々の道へと進むこととなる。
学生時代なら、約束をしなくても学校へ行けば毎日のように会えた友達でも、大人になれば生活リズムも環境も違う。
関係を続けるには、忙しい日々の中で互いに会う時間を作り、連絡を取り合って会う約束をしなければならない。
それを“自然に”任せていたら、どんどん疎遠になってしまうだろう。
それは“自然に”というより、“相手任せ”ということだ。
新たな出会いでは、より一層、能動的にならねばならない。
友達になりたい! もっとこの人と親しくなりたい! と思っているなら、自分から連絡先を聞いて食事に誘わなくては、そのまま二度と会えないことだって十分にあり得る。自分から働きかけることなく、人間関係を構築するのは難しい。
恋愛も同じだと思う。
出会いの数が少ないのならば、出会いを増やす努力をすべきだし、さらにひとつひとつの縁を大切にして、相手にきちんと興味を持って行動して初めて、関係が構築されていくのではないだろうか。