「誰でも手を出せるドラッグ」と化したSNS

ブログが下火になる一方、2004年からはmixiが登場。SNSが群雄割拠する時代へ突入します。「人はそれほど長文を打てないが、手軽に承認欲求を満たしたがっている」と言うニーズを抑えた最新のSNSは短文あるいは文字なしでも、手軽に近況をアップロードできるツールとなりました。

その結果、承認欲求を満たすためのハードルがどんどん下がり、ネットに赤裸々な欲求をぶつけることができるようになってしまったのです。かつては掲載に至るまでの準備段階でそぎ落とされ燃え尽きていった承認欲求ですが、手軽になればそんな必要もありません。

誰でも手を出せるドラッグのように人はSNSへハマり、前世の代わりに「AKBになれるはずの私」や「素敵な夫とパンを作る休日写真」など承認欲求をフルヌード未修正で掲載するようになってしまったのです。

SNSによって離れていても人の近況がわかるようになり、国際料金なしの無料通話を実現するなど多くのメリットがもたらされました。その一方、「昔はアダルトコンテンツを買うのに本屋の店員と対峙する恥ずかしさを乗り越えたものだ、それが今やワンクリックだからなあ」と揶揄されるように、承認欲求もワンクリックどころかワンタップで満たせるようになってしまったのです。

xt/トイアンナ