ハロウィンでコスプレを楽しむ背後に透ける日本人の宗教観

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 ハロウィンがあれよあれよという間に市民権を得て、ここ5年くらいはイベントとしてかなり定着してきましたね。
10年くらい前から、10月になるとオレンジ色のかぼちゃのランタンがディスプレーされるようになりましたが、
最近はディスプレーだけに留まらず、皆さんコスプレでお出かけするのが定着してきたようです。

 私のホーム、新宿二丁目でも毎年10月の最終土曜日などはもの凄い人出で、老若男女沢山の人々がコスプレで街を練り歩いています。
私はもう素人ではないですし、コスプレで女装をしているわけではないので
そういう日は、逆にシックで地味な女教師風の格好で、羽目を外し過ぎた方々を厳しく指導するような感じにしています。
こんな日くらいは普段大人しい方々に華を持たせて差し上げないとね。
ほほほ。

多くの日本人の宗教感

 ハロウィンはキリスト教にまつわるイベントです。
このような異教のお祭りを、楽しむためだけに取り入れる日本人に対し、「宗教的に節操がない」という批判がたびたびおこります。
同じように多くの日本人はクリスマスを楽しみ、正月は初詣に神社に行き、お葬式はお坊さんを呼びます。
これで健康のためにラマダン(断食)を取り入れたりしたら、宗教的にはもうしっちゃかめっちゃかだと嘆く声も多く聞かれます。

 多くの日本人の宗教意識は上記のように比較的むちゃくちゃです。
でも私にはそのことは別に悪いこととは思いません。
誤解を恐れずに言うと、もともとこの国は八百万(やおよろず)の神々がいて、身近な自然だったり、人だったりを崇め奉って、良いところを取り入れようとしたり、怒りを鎮めようとしたり、そうやって生きてきたという歴史があるからです。

 更に踏みこんで言うと、昔から自然災害が多い国だったから、
何か一つのものに頼りきったり信じ切ったりしないで、自分の頭や共同体のルールで判断してきたので、あまり特定の信仰に傾倒しなかった。
それが良い意味でも悪い意味でも、この国の民の特徴なのかなと思います。

 そんな国民が大多数のなか、もちろん特定の信仰を大切にされる方というのもいます。
私はそういう人の考えももちろんアリだと思いますが、個人的には特定の信仰に熱心過ぎる方は苦手です。
というのも、身近な人が熱心に新興宗教にハマったのを見てきたからです。
もっとハッキリ言うと私の家族がハマったからです。