スーパーカーとスピリチュアルは近いのかも

「スーパーカーのオーナーが集まって走る会っていうのは、車のランクとは別のランクがあって、一番羨ましがられるのは、若い彼女を助手席に乗せているヤツ、次が妻を乗せているヤツ。いい車でもひとりだと『ああ、ひとりなんだ』って気の毒がられるんだよね」

むしろ気の毒なのは、助手席に乗せる人を、“俺を引き立てるアクセサリー”と考える彼のほうだし、“ひとりは気の毒”なんて価値観は、いつか彼自身の首を締めるのではないかとも思ったのですが、そのときに「それでいま、あなたは誇らしい気持ちなんだ、ウッケッルー!」と言いたい気持ちをなんとか抑え込んだのは、苛立って乱暴な運転をされて事故を起こされたり、山に連れ込まれてレイプされたあげく置き去りにされるのが真っ平だったからです。

でも、好きなことをしている自分を認めてくれて、それに付き合ってくれる理解者の存在を誇っている姿に、どこか共通する雰囲気が漂っているような気がして、スーパーカーとスピリチュアルなんて、ものすごく遠くにあるようで、意外と近い存在であるのかもしれないと思った次第です。次週に続きます。

Text/大泉りか