あらゆる属性の女性たちの「惚れた・腫れた」を今こそ見たい『ジェイン・オースティンの読書会』

気絶ちゃんの映画コラム

こんばんは。気絶ちゃんというふざけた人間です。
真夜中の……なんだからこんばんはでいいなって連載3回目にして初めて気づきました。
今これもAM2:30に書いています。

読書会をきっかけにひろがるロマンス

全員が同じ本を読んできてそのテーマや巧拙を議論する、感想を語り合う。
読書会って少し憧れがあるけど、やったことがありません。まぁ私が小説などにのめりこんだきっかけって友達がいなかったことも大きな要因な気がするし、さもありなん。今はみんながいろいろなことをオンラインで楽しんでいるから、読書会もきっとたくさん催されているのでしょうね。それも楽しそう。私も今後の人生のToDoリストに入れておきます!

『ジェイン・オースティンの読書会』はタイトルの通り、読書会に参加する人々の人生模様をしっとりと描いた作品です。

『高慢と偏見』などの名作を産み出し、イギリスで最も名高い女性作家の一人であるジェーン・オースティン。よく知らない作家だし、なんか堅苦しそうなタイトルだな……と思う方がもしいらっしゃったならば、ご安心ください。メインはあくまで日常の恋愛群像劇です。あらゆる年代の女性たち(と少しばかりの男性たち)が惚れた腫れたで右往左往しているお話です。もちろんオースティンが大好きな方には、にやりとしていただける箇所も多しです。

かく言う私も実はこの映画を初めて観たときにはまだ彼女の小説なんて読んだことがありませんでした。今ではこの映画の原作も含め、みんな読みましたけれど。

良家の子女のロマンスや結婚を常にテーマとしていたオースティン。
そのくせ、自分は生涯独身だったオースティン。
彼女は、今とは比べ物にならないほど「身分と財産がある男性との結婚こそが女の幸せ」と決めつけられていた時代において、「本当にそうなのかよ?」と問い続けながら、それでもギリギリちゃぶ台をひっくり返さずに地に足の着いたロマンスを書き続けました。元気な女もお淑やかな女も能天気な女もひねくれた女も、それぞれらしく生きながらそれぞれの幸せを見出していく物語を。情け深い人だったんじゃないかなぁと私は思っています。

そのくらいを念頭に置いて観てもいいかもしれません。

どんな女も恋を楽しむ

それぞれのセレクトから…個性が見える群像劇

そんなオースティンの著作のみを対象とした読書会を開くことになった6人。月に一度、6冊の本を一人ずつ担当します。大体その人の家に集まって、食事やお菓子を食べながらあーだこーだ語ったり。ちょっと意見が合わなくて気まずくなったり。
群像劇のキャラクターやストーリーラインを順に紹介していくほど野暮なことはないと思いますが…この作品で大切なテーマになっているのは「分かち合う」こと。
何も本を読むことで劇的なことが起こるわけじゃなく、些細な日常と人間関係がゆったりと移り変わっていきます。

例えばドッグブリーダーで愛犬を亡くしたばかりのジョスリンがオースティンの長編6作の中から選んだのは、身の回りの男女をくっつけようとして空回る令嬢の物語『エマ』。
ジョスリンは落ち着いた大人の女性ですが、離婚したばかりの親友に新しいボーイフレンド候補を勝手に探しはじめる、少々おせっかいなところも否めないタイプ。

早速知り合ったばかりのSFフリーク・グリッグを、読書するならいいじゃん!とばかりに読書会へ招待します。
一目惚れしたジョスリンの手前はりきってオースティン作品と向き合い、会のメンバーに受け入れられていくグリッグ。お返しにとジョスリンにお気に入りのSF小説をおすすめするも取り合ってもらえず、なかなか距離が縮まらない。

「どうして僕を読書会に誘ったんだよ。僕を見てどう感じた?(ああ、ジェーン・オースティンの全著作を死ぬほど読みたがってる男だな)とでも思ったのか?」
「君の好きな本を読めば君も同じようにしてくれるかもしれないと思った。でも違う、全然違った、君はただ言うことを聞かせたいだけなんだよな。犬を飼うのもそのせいだ」

いや犬飼って何が悪いんだよ!っていう(笑)。
責めているような口調ではあるんですけど、なんかキュートだなと思ってしまう台詞です。
愛する人の好きなものを理解したい、そして自分の好きなものにも触れてほしい。
押しつけになってしまっては意味がないけど、お前にはわからないよと言われるよりも、グッとくる姿勢じゃないでしょうか。

気になる恋の行く末は?