恋した相手の実家が超絶お金持ちだったら?普通の人には意外と難しい玉の輿ストーリー

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まだまだ平等には程遠いものの着実に女性が活躍の場を広げている現代、国のリーダーが女性ってことも、どうやらのけぞるほど珍しいことではなくなってきました。

映画としても、頼れる男性リーダーに見初められたヒロインのシンデレラストーリー! なんて、もうあまり新鮮味がなくなってきているかも。

じゃあ、歴史に刻まれるような女性リーダーと惹かれ合うシンデレラ・ボーイの話だったら?

そんな古いようで新しいロマンティック・コメディが『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』です。

正しさを壊す!スーパーウーマンと幼馴染の恋

時のアメリカ合衆国・国務長官を務めるシャーロットは、絵に描いたような才色兼備のスーパーウーマン。

一方、アブないネタ専門のしがないジャーナリスト・フレッドは所属誌が買収されたことに反発して職を失ったばかり。

一見接点など無さそうに見える二人ですが、実は地元がご近所。若かりし頃に憧れのお姉さん・シャーロットと一度だけ交わしたキスはフレッドの人生のハイライトになっていました。

次期大統領選への出馬を決意したシャーロットと、あるパーティで再会した彼は、なんとスピーチライターとして雇われることに。再び近づくことになった二人の距離は、まさかの国家を揺るがす大恋愛へと発展するのか?! というロマンティック×ポリティカルな刺激強めのコメディとなっております。

フレッドを演じるのはハリウッド・コメディ界のスーパースター、セス・ローゲン。ずんぐりワガママボディとキレッキレの台詞回し、なんの映画で何やってるとこ観ても面白いという稀有な俳優です。

このフレッドというキャラの魅力はなんといってもかつて恋した美しい女性、それも世界で最もパワフルといっても過言ではない立場まで昇りつめたシャーロットを全く神格化せず、当然見くびることもせずに常に一人の人間として見ているところ

シンデレラ・ボーイと言ってはみたものの、フレッド自身が曲がったことが大嫌いな生粋のジャーナリスト。自分を雇ったシャーロットにも有言実行を求め、時には彼女とぶつかることになっても「自分を貫け」と鼓舞します。そのことこそが、ただ一緒に過ごした時間の長さ以上に二人を結びつけていくのです。

そして、もしこの映画でセスより笑える演技を披露している人がいるとしたら、それは間違いなくヒロインのシャーロットを演じたシャーリーズ・セロンでしょう。

ハリウッドにあっても飛び抜けた世界最高峰の美貌で、映画そのもののような波乱万丈の人生を送ってきたシャーリーズは、セスとは対照的にどちらかと言えばシリアスだったりハードだったりの映画に多く出てきた俳優です。しかしその役柄の幅広さとチャレンジ精神もトップレベルですから、本作でも引き出しの多さを遺憾なく発揮。堂々の下ネタからドラッグでハイになった演技まで、超一級のコメディエンヌぶりは目を疑うほどキュートです。

特にセックス中にあれこれ性癖丸出しの指示を出してから「あ、ごめんなさいもしかして私偉そうだった……?」って尋ねるシーンなんて、きっちりと可笑しいのですが、同時にすがすがしさすら感じる場面でした。

パッケージ化された完全無欠の女性ではなく、知れば知るほど味があって色々な表情を見せてくれる。そんなヒロイン像こそがこの映画の姿勢を表しているようです。

従来のありがちなストーリーをただ男女スイッチして「ウケるでしょ?」ってどや顔するだけじゃなく、今敢えて男女のいらない垣根や【正しいこと】の定義を壊していく楽しさ。

更には政治をルックスやイメージではなくて「どう行動するか」で見ようよ、っていうところも、軽やかながら今の私たちにぐっさり刺さる大切なメッセージかもしれませんね。

英語でいうタイトルの「Long shot」とは、遠くから撃つ=成功するかわからない挑戦のこと。

本編を観るともう一つ、超くだらない下ネタとかかっていることがわかるのですが……そこもぜひ楽しんでほしいところです。