恋愛という闘争を降りる
返ってきたのは「え、君、クンニするの?」という言葉でした。
「わかんない。状況によってだけど、嫌?」
「ううん、君の判断に任せるよ」
試されているようで、なーんか嫌だなと思いましたが、すぐに思い直しました。判断は任されたのだから、遠慮することなく、したいことをすればいい。
そうして参戦した「レズナンキャノンボール」。ドルショック竹下さん含め4名エントリーして、なんと見事優勝したのはわたしでした(笑)。結局のところ、クンニも手マンもせずに、連絡先ゲットとキスだけで小さくポイントを稼いでいったという、完全にコスい勝ち方ですが。
キャノンボールを終えて家に戻り、「レズナンキャノンボール、優勝したよ!」と報告すると、恋人は「マジか、すげぇ!」と笑いましたが、しかし具体的にどういう勝ち方をしたのかは聞かれませんでした。
それがとても楽でした。これまで付き合った男性たちは、わたしを受け入れようとして、自分の中の嫉妬やプライドと折り合いがつけられずに苦しそうだったけど、この人にはどうやらあまり、それがないらしい。
そうして、もうひとつ気が付いたのは、わたしを変えようとした元彼たちと同じく、わたしもまた、元彼たちを変えようとしていたということです。わたしを受け入れられるようになって欲しいと願って。そうやって相手の形を変えようとする限り、恋愛は自然と闘争になる。新しい恋人と出会い、ようやく恋愛という闘争を降りられた。そう思ったのでした。
――次週へ続く
Text/大泉りか
次回は<恋愛感情だけで結婚しちゃダメ?モラハラ夫を育てない家事のルール>です。
婚約解消のあと、自分の男の見る目のなさに悩んだ大泉りかさん。クズ男とばかり付き合ってしまうのは、何よりも恋愛感情を優先にしていたから? 反省した結果、次の交際相手をモラハラ夫にしないため、家事のルールを定めてお試し期間の同棲をスタートさせます。