結婚を前提にしていたはずの空白の同棲期間、わたしは何をしていたのだろう

結婚までの空白の2年間

自分の顔の前に真っ白な紙を掲げる女性の画像 Porapak Apichodilok

前回の話に、ひとつ私の勘違いがありました。「2年経ったら結婚しよう」と言っていた恋人と、2年半経った2007年の春にようやく同棲を開始したころ、結婚の話が具体化して、その翌年5月に式を挙げる予定になった……と思っていたのは誤りでした。当時の日記を読み返してみたところ、同棲開始から式予定までの間にはもう1年ありました。正しくは09年の5月に式の予定だったのです。

では、「結婚を前提」としながらも、ただ一緒に住んでいるだけだった空白の2年間、いったい何をしていたのか。あまり記憶にありません。
早朝に起きるか、もしくは徹夜のまま釣りに行き(一番釣れるのは日の出前・日の入り後なのです)、昼ごはんを食べに家に戻り、仕事をして、夕食の準備を終え、また仕事。22時ごろ彼が帰ってくると、一緒に夕食をとって、食後はビールを飲みながら朝方まで仕事をする、という生活でした。

休日は、愛犬を連れて恋人と一緒に海辺を散歩し、夕日が海に落ちるのを見て、夜は家で食事をする。そういえばその頃、わたしは着物に目覚め、自分で着付けをしては、鎌倉あたりまで足を延ばしたりもしていました。どうですか、素敵な生活だと思いませんか?

“正しく、美しい生活”をしている充足感がありました。一方で、まったく自分らしくないとも思っていました。誰かの書いた脚本を演じているようでした。その脚本を書いたのは、わたしのはずなのに。