「産後セックス」のエトセトラ
その理由はいくつもあります。家の中に子がいて、寝かしつけたとしてもいつ目を覚ますかわからないために、セックスのタイミングが計れないこと、24時間体制で子の面倒を見ているために疲れていて、その気になれないこと、体型が崩れてしまって脱ぐのが恥ずかしいこと…etc。
しかも、産後しばらくは外に出る機会もなかったためにメイクや髪なども放ったらかし……なんていうと「そこが女の頑張りどころじゃない?」って思う方もいるかもしれないですが、起きている時は赤子を抱っこし続け、寝てくれた隙をみて、食器を洗ったり洗濯物を干したり取り込んだりと慌てて家のことをするだけで精いっぱい。
メイクをしたり髪を巻いたりなんて、なかなかする気にはなれないというのが実情なのです。
さらに、一番の問題はメンタルです。
というのも、セクシーな気持ちになるのが、難しいんです。酒を飲んで、いい雰囲気のお店で食事をして、気持ちが盛り上がって……
といった過程なしに「さー、するよっ!」では、なかなか気分が乗らない。
もちろん夫婦ですから、これまでだって必ずしも口説き口説かれのデートをした後にベッドインしていたわけではないんですが、それでも夫婦ふたりで会話する時間はあり、そのおかげで男と女としての関係をキープ出来ていました。
ところが産後は、ふたりの関係を深めるためにじっくりと会話をする時間なんてまるでありません。
突然父と母という役割を担わされて子供を育てることになり、互いの認識や考え方の差から、家事育児の息がなかなか合わずに、相手に対して不甲斐なく思っていたり怒っていたりいらついていたりもする状況。
おまけに、乳房と乳首は赤ちゃんのもの、日々目にするペニスは可愛い赤ちゃんのそれ。
セクシャルだった存在のものがセクシャルでなくなってしまっていることも、拍車をかけているように思います。
両親やシッターなどに預けて夫とデートに行き、ラブホテルでご休憩すれば、一発で解決する問題のような気もしますが、それが難しい我らは核家族。
あっ、もちろんシッターを利用することはできますが、セックスするために一時間1500円のシッターを雇うってちょっともったいない。
もちろん、最悪の場合はそれしかないと思うんですが、その前段階として、とりあえずは自分たちの力でなんとかなるのではないか。
というわけで、やりくりして時間を作り、互いに必死に気分を盛り立て、なんとか、産後初セックスを無事に終えたのでした。
人によるとは思いますが、わたしに関していえば、産後初めてのセックスはとても痛かったです。膣口部分に引きつれたような痛みがはしり、出し入れが苦痛でした。
ただし、事前情報として「産後のセックスはめちゃ痛い」と知っていたので、騎乗位でそろそろと挑んだおかげでまだマシだったと思います。
正常位でいきなり挿入されたら、たぶんもう二度とセックスなんてしないって思っていたかもしれません。
それくらい痛い。
なので、いつか皆さんが出産して、その後、夫婦のセックスを取り戻そうとなった時のために「産後のセックスは痛い」ということを知っておくといいかもしれません。
心の準備があったほうが、焦らないで済みます。
こうやって、困難を打ち負かしながらも「こだわり」を取り戻していく。それにはセットで「生きづらさ」がついてくるんですが、それでも、こだわりがない生活って、無味無臭の水のようで、つまらないですよね。
Text/大泉りか
次回は<同業種を恋人にするのはアリか?好きな人がライバルに変わってしまうとき>です。
「理想の彼氏/旦那像」は誰しもが一度は抱くものですが、現実はそう甘くはないですよね?そこで、もし、アナタが「願うもの何か一つだけは備えている男性と一緒になれる」と言われた時、何を求めますか?次回は、「男に求めるもの」についてのお話です。