愛とセックスの関係性

 そもそも、セックスのやり方なんて、人に寄って変えることもないのですから、浮気をした恋人とセックスをすることは、イコール、その恋人が浮気相手にどういうことをしているのかを、まざまざと身をもって知ることでもあります。

 それを考えると、やっぱり嫉妬の感情を湧きたてられるし、相手を許せない気分にもなる。自分の拒否反応の正体を探ってみると、この結論に達するのでした。

 同じように、相手の浮気がきっかけで、その人とセックスをする気がなくなった人に尋ねてみると「自分とその浮気相手とを、同じ地位には落ちたくない」や「相手への気持ちがすーっと醒めてしまって、この人とのセックスはもういいやと考えるようになった」といった理由が出てきます。

 が、結婚している場合は、「セックスする気はなくなった」としても「相手の浮気が許せずに別れた」っていう話ってあまり聞かないんですよね。むしろ別れる場合は、浮気した側が「心変わりした今となっては、これ以上一緒にいるのは無理」と、望んで別離に至る場合のほうが多い。

「セックスは拒否するけど、相手との関係は続けていきたい」と思うことは、愛の関係に必ずしもセックスは関係がないというなのでしょうか。それとも「ATM扱い」とも揶揄されるように、都合のいい寄生先を手放すのは惜しい、という損得勘定が先立つようになるのか……

「結婚」という男女関係は、恋人同士の時とはまた違った複雑さを孕んでいるのです。

 ちなみに、自分が浮気している立場で、同じ日に二回、それぞれ別の人とセックスをした時には、後だった方に対して、ちょっとだけ「申し訳ないな」という思いを抱きました。

 その理由を考えたとこ「先ほど別の男性が触れたばかりの粘膜に、触れさせるのが申し訳ない」という結論に行きつくので、わたしは粘膜を、何か特別なものとして考える節があるのかもしれません。

Text/大泉りか

次回は <メンヘラとの別れ話の鉄則は…「付け入る隙を見せたら負け」>です。
お引越しで家具を移動したとき、棚がパンチで壊された跡を見つけた大泉りかさんが思い出したのは、別れ際に揉めまくった元彼のこと。感情論と暴力的な脅迫でごねてくるメンヘラ彼氏を相手に、話し合いで解決しようと思ったのが運の尽きでした……。厄介な恋人と別れるときの鉄則をAM読者のみなさんにご紹介します。