「雲ひとつない晴天」よりも「曇り」が丁度良い恋人との関係

 そもそも恋人との関係は、少し目を曇らせなければ、続いていかないことが多々あります。

 何かがおかしいと思っても携帯やパソコンは見ないこと。言動がおかしくても問い詰めないこと。けれども、そうやって見て見ぬふりは、心を少しずつ蝕んでいくのです。

 しかも、心が蝕まれていることには、なかなか気づかない。

 なぜならば、「幸せ」と「不幸」とを天秤にかけて「幸せ」が勝っていれば、「幸せ」だとするからです。自分でそうジャッジするだけではなく、あなたが不幸であると、都合が悪いと感じる恋人もまた、なだめ、すかして「不幸」から目を背けさせ、「幸せ」を取り繕います。

 そういう意味では、携帯やパソコンを覗く人は、「偽りの幸せ」に甘んじない人だとも言えます。

「幸せ」であってもその裏にある「不幸」に目をつぶらず、排除しようと試みる戦士とも言えるかもしれません。

 もしかして、プライバシーだうんぬんと言いながらも、わたしに携帯を覗く勇気がないのは、その先に、地獄の釜の蓋が開いていることを、無意識に感じ取っているせいでしょうか――
『ガール・オン・ザ・トレイン』は11月18日(金)から全国ロードショーですので、興味のある方はぜひ、劇場へ足を運んでみてください!

Text/大泉りか

次回は<サイぜリヤの高いワインに挑戦する感覚で、憧れのイケメンに挑むのだ>です。
若い人には「サイぜ」の呼び名で人気のあるファミレスの「サイぜリヤ」には一本数千円もする高級ワインが置いてあると言う事実を知っていましたか?お手ごろ価格な商品を提供するお店で少し背伸びをしてみる…これってもしかして「恋愛」でもよくあることではないでしょうか?そこで、今回は結婚記念日に鰻とロシア料理を召し上がった大泉さんの「身の丈感覚」の恋愛癖からみるイケメンの見方のお話です!