コック服の魔力に惑わされました

饅頭パンナさん(兵庫県)
エピソード:
 学生時代、バイト先のひとまわり以上も年上の料理人と付き合っていました。
 白いコック服を着こなしヒゲを生やした彼は、私にとって漫画「ワンピース」のサンジでした。
 しかし、付き合い始めてすぐ私がバイトを辞めてOLになると、休みの合わない彼と会えるのは毎週水曜の深夜だけに。
 彼に教えられたことといえば、上手なフェラのしかたぐらい。サプライズのプレゼントは数種類のローターでした。
 別れてから1年あまり経った今、改めてあの頃の写真を見ると、ハゲかけてやせ細った40前のおっさんと私は一体何をしていたのだろうか……と、コック服の魔力を呪うばかりです。

「サンジみたい」コックのあなたに憧れて 脱いだらオヤジ 食材わたし(饅頭パンナ)

 こういう男には「仕事してるときがいちばんかっこいい!」「コックの格好して!」とか巧いことおだてたおして、オフでも「いちばんいい彼の状態」を維持させるタイプの女性がぴったりなんじゃないかな、と思います。

 仕事モードのスイッチをオフにした途端にみすぼらしくなっちゃうのは中年の宿命みたいなものですね。

 むしろ、たいていの中高年は仕事モードというファンタジーの中でだけ鑑賞すべき動物であるような気がします。オフもかっこいいのはオフもどこかでオンでありつづける「待機電力高め」の一部のエコじゃない人たちだけじゃなかろうか。

 まあそれはさておき、饅頭パンナさんはもしかするとコスチュームに極端に弱いタイプなのかもしれない。男だったらイメクラにハマるタイプの人。男女限らずときどきいるんです。

 以前付き合ってた女の子にもいました。

 僕の以前の職場にときどき仕事で来る人だったのですが、スーツを着ている僕がものすごく好きだったみたいで。

 デートのとき、というかホテルに行くときに「スーツ着てきて!」とよく指定されていました。興奮の度合いが全然違うのだとか。

 昼間からスーツでホテル街を歩くのって「お前はどういう仕事してるんだ?」という周囲の視線を感じて、ものすごく恥ずかしいんですよ。彼女は彼女で半分イメクラ状態の彼氏に興奮していたかもしれませんが、僕にとっては完全に別のプレイでした。羞恥プレイ。つらかったです。

 まあ僕もお返しとしてクリスマスに恥ずかしめのミニスカサンタコスとかお願いしてたから、お互いさまの関係ではあったんだけどね……。

仕事中の真顔のほうが好きという君とのデートは仕事のようで